江戸時代に笑い絵とも呼ばれた春画は、性的な事柄と笑いが同居したユーモラスで芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画の総称です。昨年、東京・文京区にある永青文庫で開かれた日本初の本格的な春画展は約20万人を動員したそうです。
本展は京都の細見美術館で開催される巡回展。細見美術館主任学芸員の伊藤京子さんに、京都展の見どころをうかがいました。
「春画は、大名家や個人が秘蔵してきたために保存状態が極めて良いこと、そして、注文品であるために絵師のレベルや画材の質が高いことが魅力です。当代の人気絵師が腕をふるった版本(はんぽん/版木に彫って印刷した書物)では、金銀のぼかしを入れたり超絶技巧ともいえる摺(す)りの技術をみせる、まさに江戸の浮世絵の粋をご堪能いただけます。
京都展ならではの見どころとして、京都・大坂の絵師の作品に注目していることに加え、桜の季節に向けて桜花が描かれた作品を集めていることも挙げられます。東京展とはひと味違った展示を楽しんでいただけると思います」
東京の永青文庫で評判を博した春画展。雅な街・京都で観るのもまた一興です。
細見美術館の公式サイトはこちら
【「春画展 SHUNGA」開催要項】
会期/前期:2016年2月6日(土)~3月6日(日)
後期:2016年3月8日(火)~4月10日(日)
会場/細見美術館
住所/京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
電話番号/075-752-5555
料金/当日券1500円 前売券1300円 ※本展は団体・学生・シルバー・障がい者割引はなし
開館時間/10時から18時まで、3月18日以降の金曜・土曜は20時まで(いずれも入館は閉館60分前まで)
休館日/月曜(ただし3月21日は開館)
アクセス/地下鉄東西線東山駅2番出口より北へ徒歩約7分、市バス31・32・201・202・203・206系統で「東山二条・岡崎公園口」下車東へ徒歩約3分。