3月1日(火)から14日間にわたって奈良・東大寺二月堂で行なわれる仏教行事「お水取り」(正式名称は修二会/しゅにえ)。その開催時期に合わせて奈良国立博物館では、お水取りの歴史を紹介する恒例の展覧会が2月6日(土)から開かれます。
本展では、天平勝宝4年(752)以来、1260年以上も絶えることなく続けられてきたお水取りにまつわる貴重な絵画、古文書、出土品などが出展されます。奈良国立博物館学芸部研究員の田澤梓さんに、展示品の見どころをうかがいました。
「まずは、お水取りの独特の形をした仏具にご注目ください。鎌倉時代の銘がある「香水杓」(重要文化財 東大寺蔵)は、急須のような小壺に長い柄を付けた形をしています。これは修二会で走りの行法のあとに参詣者に香水を分け与えるために用いられる柄杓で、現在もこの形のものが使われています。練行衆が実際に使っていた法具から、長い歴史と信仰を感じ取っていただければ幸いです」
この特別展で東大寺・お水取りの歴史を辿ることで、実際に目にするお水取りの美しい松明の火がより印象深いものになることでしょう。
奈良国立博物館の公式サイトはこちら
【「特別陳列 お水取り」開催案内】
会期/2016年2月6日(土)~3月14日(月)
住所/奈良国立博物館:奈良市登大路町50(奈良公園内)
電話番号/050-5542-8600(ハローダイヤル)
料金/一般520(410)円 大学生260(210)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※高校生以下及び18歳未満、満70歳以上、障がい者手帳所持者は無料
開館時間/9時30分から17時まで、2月8日~14日は20時30分まで、3月1日~11日、13日、14日は18時まで、3月12日は19時まで(いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日/2月15日(月)、22日(月)、29日(月)
アクセス/近鉄奈良駅より徒歩約15分またはJR奈良駅・近鉄奈良駅より市内循環バスで「氷室神社・国立博物館」下車すぐ。