――『俺、つしま』に登場するズン姐さんもそのときのひとりですか?
兄:ズンちゃんはチビたちの世代の数年後に、ケガをした状態で窓から突然ズバっと入ってきて、そのまま居ついた猫です。「おら、この家に住むことに決まっただ」と言っていました。子猫と成猫の中間ぐらいの頃でした。
そして、つーさんがやってきた
――つーさんと出会ったのは数年前ですよね。
兄:チビたちの世代の猫がみんな亡くなってズンちゃんだけが残りました。妹は完全室内飼いが理想だと思っているみたいですが、お腹を空かせてやって来る野良猫はやはり見捨てられない。もうウチは大人の猫の、行き場のない野良の立ち寄り所でいいよと。
そのうち、ちゃーちゃんが来てオサムさんが来てつーちゃんも来るようになりました。みんな可愛くて、うちに居ついてほしいから妹はサービスしまくっていました。
つしま:オサムは慣れなかったからさ、冬になるとおじいちゃん、自分の部屋をそっくりオサムに提供してたよね。おじいちゃんは寒い部屋のコタツにくるまって3年ぐらい寝てたんだよ。そういうとこ、俺ちょっと感心するわ。
兄:つーさんはすぐに慣れてくれたよね。
つしま:うん、俺けっこうニンゲンの世話にもなってたからね。チョロい……いや、いいニンゲンはすぐにわかるんだよ。
――つーさんは漫画のままの性格ですか?
兄:漫画のままです。賢いし、優しいです。オサムさんがつーさんの食べているものを欲しがると(オサムさんも同じのをもらってるのに)そっと譲るんですよ。自分がお腹を空かしているときでも。
つしま:俺、腹が減ってるときの気持ちがよくわかるんだよ。だからいいんだよ。
兄:セミだけは譲りませんけど。人が変わるというか猫が変わったように独り占めするよね(笑)。
つしま:セミたんだけは譲れないんだよ。あんな美味しい生き物はないと思うんだよ。
>> その2に続く!
『俺、つしま』と『俺、つしま2』
おぷうのきょうだい 著
定価本体1000円+税
https://www.shogakukan.co.jp/pr/tsushimacat/
「俺、つしま」公式Twitterもあるよ(@tsushimacat)