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ボルボ XC60|群雄割拠のSUV市場で精彩放つボルボの主力車種【石川真禧照の名車を利く】

文/石川真禧照(自動車生活探険家)

気候条件の厳しい北欧スウェーデンの道路に対応するような、安全かつ丈夫な車を生産する──。

人の命を何より大切にするボルボの車づくりの姿勢は今も変わらない。1927年に最初の車を世に送り出してから約90年。現在は乗用車に加え、大型トラックやバスなども製造している。

乗用車部門は2010年に中国の自動車メーカーに買収されたが、その直後にボルボの技術者やデザイナーと話をする機会があった。彼らが、「新しい経営者は比較的自由に新型車の開発をさせてくれる」と語っていたのを覚えている。

果たして2010年以降、ボルボが発表・発売した新型車は、その性能やデザイン性が高く評価されるようになっていく。それが確固たるものになったのが、2016年に登場したXC90という大型のSUV(多目的スポーツ車)だ。中国の親会社が1兆円以上を出資し、骨格など一からつくり直した高品質なSUVで、世界各国でいくつもの賞を獲得した。

今回紹介するXC60は、その要素を受け継ぎながら、車体を小型化した最新のSUVである。

全長、全高はトヨタ・ハリアーや日産エクストレイルよりも小さいが、全幅は60~70㎜ほど大きく、1900㎜ある。地上高を変えられる電子制御エアサスペンションを採用する。

■世界に先駆けて技術を実用化

ボルボは1950年代から、安全性にとりわけ注力した車づくりを実践してきた。例えば3点式シートベルトや、前席から後席にかけてドア窓を覆うように膨らむカーテンエアバッグなどは、同社が世界に先駆けて実用化したものだ。

最新のボルボ車は16項目もの先進安全機能を標準装備するが、XC60にはさらに3項目の新規安全機能が追加された。それによって、同車の安全性能は世界最高水準に達したといっても過言ではない。

前席は運転席から助手席まで一体感のある洗練されたデザインが秀逸。タッチ操作式を採用する中央のナビ画面は大きく見やすい。

前席の着座位置は高めだが、天井も高いので圧迫感はない。座席は高級なナッパレザーを
採用し、写真のアンバー( 琥珀)、白、黒の3色から選べる。

後席の着座位置も高めだが、頭上の空間は確保されている。座席中央部は床面の出っ張り
が大きいので、左右2名乗車が快適定員だろう。

車体後部の荷室。床面は平らで左右側面の張り出しも小さく、使い勝手がいい。後席の背もたれは4対6で前方へ電動で可倒する。

 

■安全性に加え環境性能にも注力。モーターで約40㎞走行できる

ボルボが力を入れているのは安全性能だけではない。近年は環境性能の向上にも気を配った車両開発を積極的に行なっている。

同社は数年前、今後手がけるエンジンの排気量を最大2000ccに抑えると表明した。さらに2020年以降に発売する全モデルに、電動化の技術を投入することも明言している。これは、同社の主軸車種がガソリン車やディーゼル車ではなく、EV(電気自動車)やエンジンと電気モーターを併用するプラグイン・ハイブリッド車になることを示唆している。

4気筒2Lガソリンエンジン。ターボと機械式過給機を備え318馬力を発揮する。電気モーターを併用し、前後4輪を駆動する。

今回、取り上げた車種も2Lガソリンエンジンと電気モーターで走行するプラグイン・ハイブリッド。プラグインとは、家庭用2000V電源や給電施設などで、電気モーターを駆動させる電池に充電できる機能を意味する。

同車は電気モーターだけで40km近く走行できる。近所に買い物に出たり家族や友人を送り迎えする程度なら、エンジンを始動させずに(ガソリンを使わずに)電気モーターだけで走ることが可能だ。

革新的な技術による優れた走行性能に、先進の安全・環境性能を融合させたXC60。今、世界が最も注目するSUVである。

新世代ボルボの外観上の特徴はTを横にしたデザインのヘッドライト。北欧神話に登場する雷神トールが持つハンマーを象っている。

最新のXC60はバランスのとれた美しい車体デザインも大きな魅力。車体色はグレードにより6色が用意されている。

安全装備の充実や快適性、走行性能、デザインの美しさなどが高く評価され、2017─2018の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

【ボルボ/XC60 T8 ツイン・エンジン AWD インスクリプション】
全長× 全幅× 全高:4690×1900×1660㎜
ホイールベース:2865mm
車両重量:2170kg
エンジン:直列4気筒DOHC/1968㏄:交流同期電動機
最高出力:318PS/6000rpm:前 46PS 後 88PS
最大トルク:40.8㎏-m/2200〜5400rpm:前 16.3㎏-m 後 24.5㎏-m
駆動方式:4輪駆動
燃料消費率:15.7km/l(JC08モード)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 50ℓ:リチウムイオン電池
ミッション:電子制御前進8速自動
サスペンション:前:ダブルウィッシュボーン 後:マルチリンク
ブレーキ形式:前・後:ディスク
乗車定員:5名
車両価格:884万円(消費税込み)
問い合わせ:お客様相談室 電話:0120・922・662

文/石川真禧照(自動車生活探険家)
撮影/佐藤靖彦

※この記事は『サライ』本誌2018年4月号より転載しました。

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