《ボーイング747》
そして1970年4月には、航空史に残る革命的な大型機ボーイング747が日本航空に引き渡された。
ジャンボジェットの愛称で親しまれた最大546席の2階建て旅客機は、その座席数の多さゆえに格安航空券も登場。一気に空の旅を大衆化させた。私は初めて747の着陸を見た時、あまりの大きさに空中で止まっているように見えたのを覚えている。
もともとはアメリカ空軍の戦略輸送機として開発されたもので、貨物スペースを確保するためにコクピットが2階にあった。軍用機を旅客形に改造したということもあって、当初はキワモノ扱いされていたが、就航するや爆発的な人気を呼び、各航空会社のドル箱路線に投入され、収益の柱になっていった。
低騒音・高燃費のターボファンエンジンの採用や、長距離洋上飛行が可能になった慣性航法装置(ILS)の搭載などで安全性が向上。客席で映画が見られるエンターテイメントシステムを最初に備えた旅客機になった。
日本航空は747の世界最大のユーザーとして、一時は100機以上も保有し、さらに長距離型として作られた747を国内線でも多用した。そして日本航空の747は、2009年7月に惜しまれつつ引退するまで、実に39年間も飛び続けた。
【ボーイング747−300】
全長:70.66m
全幅:59.64m
高さ:19.33m
胴体幅:6.49m
座席数:584席( 1クラスの場合)
最大離陸重量:377t
航続距離:10463km