新着記事

五木寛之 五木寛之氏講演会「人生百年をどう生きるか」のお知らせ[PR] 自分の足についてよく知りましょう(計測編) 自分の足についてよく知りましょう(計測編)【快適に過ごせる靴との出会い vol.4】 獣医師とコミュニケーションをとって納得できる検査を。 獣医さんが教えるよりよい「ペットの血液検査」を受けるコツ 肥満要注意 都道府県ランキング|第1位は岩手県 肥満要注意都道府県ランキング|あなたが住む都道府県は何位? リーガースブルク城 実在した「魔女狩り」の謎|岩山の上に建つキリスト教界で最強の古城・リーガースブルク城(オーストリア) 【ビジネスの極意】上司が部下の「やる気」に関わってはいけない理由 【ビジネスの極意】上司が部下の「やる気」に関わってはいけない理由 知っておきたい介護の基本 公的介護保険のしくみと利用できるサービス|知っておきたい介護の基本 ヒノキのぐい呑み|京都産ヒノキを厳選し職人が仕上げた香り高い酒器 うにの旨みと甘味を堪能「ヤマチュウ食品」の北海道産 粒うに【サライのお取り寄せ】 思わず涙ぐんでしまう懐かしのTVドラマ|面白かった80年代のTVドラマランキング 面白かった80年代のTVドラマランキング|第1位は、あの人気シリーズ!

サライ本誌最新号

ピックアップ記事

  1. 五木寛之
  2. 徳川園/名古屋市

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

江戸川乱歩が愛用した古い映写機【文士の逸品No.02】

◎No.02:江戸川乱歩の映写機

江戸川乱歩の映写機(個人蔵、撮影/高橋昌嗣)

文/矢島裕紀彦

うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと--そんな妖しく危うげな言の葉を、江戸川乱歩は好んで用いた。

明智小五郎や怪人二十面相といったキャラクターを生み出して日本の探偵小説の基盤を築く一方で、天井裏からの覗き見や蜃気楼、陰惨な性愛など、猟奇的、幻想的なテーマを取り上げる乱歩には、似合いの文句であった。

履歴にも、ある種の怪しさはつきまとう。30種に余る職業遍歴。46回に及ぶ転居。作家としても、真っ暗な土蔵にひとりでこもり、蝋燭(ろうそく)の明かりだけで原稿用紙に向かう、という伝説を自らつくり上げていた。

東京・豊島区に子息の平井隆太郎氏のもとを訪れると、乱歩愛用の9ミリ半の映写機が残されていた。国産「エクラA型」。フィルムはフランス製「パテー」を用いた。このフィルムが16ミリほど高価でなく、しかし、8ミリより映像に迫力がある。それ故の9ミリ半という選択であった。

幼少期からレンズや鏡の魔力に魅了されていた乱歩は、この映写機で、主に家族や友人の日常の姿を映し出していたというが、そこにさえ妖しい世界を感じてしまうのは、地下の乱歩の思う壺なのかもしれない。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。『サライ.jp』で「日めくり漱石」「漱石と明治人のことば」を連載した。

写真/高橋昌嗣
1967年桑沢デザイン研究所 グラフィックデザイン科卒業後、フリーカメラマンとなる。雑誌のグラビア、書籍の表紙などエディトリアルを中心に従事する。

※この記事は、雑誌『文藝春秋』の1997年7月号から2001年9月号に連載され、2001年9月に単行本化された『文士の逸品』を基に、出版元の文藝春秋の了解・協力を得て再掲載したものです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 森茉莉が可愛がっていた犬のぬいぐるみ【文士の逸品No.39】
  2. 中勘助が幼少期に使っていた銀の匙【文士の逸品No.38】
  3. 林芙美子が出版記念品として配った灰皿【文士の逸品No.37】
  4. 音楽好きの宮澤賢治が奏でたチェロ【文士の逸品No.36】
  5. 文士・尾崎士郎が履いていた奇妙な下駄【文士の逸品No.35】
PAGE TOP