取材・文/池田充枝

大正から昭和にかけて、生活に根ざし重厚で力強さに満ちた作品を多数生み出した陶芸家・濱田庄司(はまだ・しょうじ、1894~1978)。その魅力あふれる作品を一堂に集めた展覧会《没後40年 濱田庄司展-山本為三郎コレクションより》が、京都府にあるアサヒビール大山崎山荘美術館で開かれています(~2018年4月8日まで)

本展は、アサヒビール初代社長である実業家・山本爲三郎(1893~1966)が蒐集した濱田作品のコレクションを中心に、濱田の初期から晩年までの作品約100点を紹介し、その陶歴を辿ります。

濱田庄司《スリップウェア格子文皿》〔1929年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵〕

濱田庄司は1913年に東京高等工業学校(現・東京工業大学)窯業科に入学、1916年より京都市陶磁器試験場に入所しました。1920年に渡英し、3年余り本格的に作陶に挑戦して帰国後、1924年より栃木県芳賀郡益子町に入りました。同年から1928年頃には沖縄にも長期滞在し、作品を残しています。1930年には益子の農家を購入して移築、翌年には住居のわきに登窯を築き、以降生涯一貫して益子で制作を続けました。

濱田庄司《鉄絵葡萄文注瓶》〔1930年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵〕

思想家の柳宗悦(やなぎ・むねよし、1889~1961)や陶芸家の河井寛次郎(かわい・かんじろう、1890~1966、「寛」は見の部分に「、」がつく)らと民藝運動を創始、日本の工芸界に多大な影響を与えます。

1955年には第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定され、1968年には文化勲章を受章、長年にわたるひたむきな作陶活動が高い評価を受けました。1978年に没するも、没後40年を経た現在もなお、濱田の作品は人々を惹きつけています。

濱田庄司《柿釉蝋抜黍笹文筥》〔1960年代 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵〕

本展の見どころを、アサヒビール大山崎山荘美術館の広報担当の、藤田友香里さんにうかがいました。

「今回の展覧会では、濱田庄司の初期から晩年までの作品を一挙に公開します。濱田と民藝運動の支援者であった山本爲三郎との出会いは、お互いが20代はじめと早く、その後半世紀以上もその親交は続きました。

本展では、山本家にて実際に使用されていた濱田作品も数多く登場いたします。山本家でどのような料理がどのように作品の上に盛り付けられていたのか、ぜひご来館のお客様にも、会場で想像を膨らませていただければと思います。

濱田庄司《白釉型押流描角皿》〔1960年代 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵〕

また、山本はアサヒビール株式会社の得意先への贈答品などを濱田に依頼し、濱田も山本からくるさまざまな依頼に誠実に答えました。本展覧会ではアサヒビールに関する作品も出品いたします。

喫茶室では「ホテル王」ともよばれた山本爲三郎ゆかりのリーガロイヤルホテルによる、特製オリジナルスイーツを会期中限定で提供いたします。濱田のスリップウェアの作品をイメージしたケーキでして、本物をご覧いただいたあとで、喫茶室でもその余韻を楽しんでいただければと思います。

そしてミュージアムショップでは、展覧会開催を記念し、かつて濱田庄司がアサヒビール社のために制作したお皿や花瓶等の作品を本展会期中に特別販売いたします。

見どころたくさんの濱田庄司展、ぜひお越しください」

用の美を唱えた濱田庄司の、素朴さと力強さのみなぎる作品の数々を、ぜひ間近でご覧ください。

【展覧会情報】
『没後40年 濱田庄司展-山本為三郎コレクションより』

会期:2017年12月16日(土)~2018年4月8日(日)
会場:アサヒビール大山崎山荘美術館
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
電話番号:075・957・3123
http://www.asahibeer-oyamazaki.com
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜(ただし祝日の場合は翌火曜日休館)、年末年始(12月25日~1月3日)

取材・文/池田充枝

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