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将軍様がアレにつき!武士が家計簿をつけるようになった意外すぎる要因とは【時代劇、勝手に応援し隊 第六夜】

文/堀口茉純(お江戸ル、歴史作家)

最近チャンバラがない(あっても目玉ではない)時代劇が増えてきているが、その潮流を作ったのが映画『武士の家計簿』(2010年12月劇場公開)だろう。

加賀藩の御算用者(会計係り)を務めた実在の下級武士・猪山家が、三代に渡り節約生活をしながら幕末維新の激動期を乗り切るというストーリーは、大きな共感を呼んだ。「侍だって現代に生きる我々と同じようにやりくりしながら一生懸命生きてたんだなぁ」と、時代劇の世界をグッと身近に感じられるようになったエポックメイキングな作品だった。

さて、物語中で中村雅俊さん演じる主人公の祖父・猪山信之の自慢は、“溶姫様”御輿入れの際の会計を上手くまとめた事である。猪山家はこの時の働きが認められて、婚礼後も姫君様御勘定役を仰せつかり、加増されている。“溶姫様”が一家にとっていかに重要な存在だったかということがわかる。

この“溶姫様”とは一体どのような人物なのか? 簡単に言うと11代将軍・徳川家斉(いえなり)の21女である。

誤植ではない。“21女”である。

実は家斉という人は、側室40人、子供が55人もいた、日本史上随一の“絶倫将軍”であったのだ。結果、側室たちが華美を競う大奥の経費や、たくさん生まれた子供達の養子先や嫁ぎ先への手当がかさみにかさんだ。ある年などは幕府の歳入140万両に対して歳出が198万両という大赤字を記録。国庫がすっからかんになってしまった。

(時世源氏十二ケ月外源氏絵 /国立国会図書館蔵)
家斉の女好き&子沢山を光源氏に見立てた浮世絵、通称源氏絵も大流行しました。この絵では巨大な雛壇で桃の節句を祝っています。こりゃお金かかるわ…。

幕府だけでなく、縁組先となった諸大名の経済的負担も大きかった。将軍家の御子息、御令嬢を御迎えするにあたっては万が一にも粗相があってはいけない。当然住居も新築せねばならず、その出費は膨大な額に上ったのだ。

猪山家が仕えていた加賀藩では、溶姫を迎えるにあたって御守殿門(将軍家との縁組をした大名家に特別に許される朱塗りの門。東京大学赤門として現存)を新築したが、朱塗りの塗料は高額であったため前面だけきれいに塗り、裏面には塗らないところをつくるなどして節約を図ったという。こういった諸経費のソロバン勘定を担当していたのが、猪山家だった。

当時はただでさえ天災からの復興などによる臨時の出費を余儀なくされた時代だったが、それに加え将軍・家斉の絶倫によって、幕府や大名が経済的に疲弊しきっていたのだ。

剣ではなくソロバンを持つ侍が生まれたのは、時代の必然と言えるだろう。

【参考図書】
『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―』
(磯田道史/著、新潮新書)
http://www.shinchosha.co.jp/book/610005/

文/堀口茉純(ほーりー)
東京都足立区生まれ。明治大学在学中に文学座付属演劇研究所で演技の勉強を始め、卒業後、女優として舞台やテレビドラマに多数出演。一方、2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得すると、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ル」として注目を集め、執筆、イベント、講演活動にも精力的に取り組む。著書に『TOKUGAWA15』(草思社)、『UKIYOE17』(中経出版)、『EDO-100』(小学館)、『新選組グラフィティ1834‐1868』(実業之日本社)がある。
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『江戸はスゴイ』世界一幸せな人びとの浮世ぐらし
(堀口茉純・著、PHP新書)

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