秀吉一族のもっとも幸せだった一日

I:さて、信長の命で小一郎が妻を娶ることになりました。安藤守就(演・田中哲史)の娘という設定です。竹中半兵衛も安藤守就の女婿といわれますから、半兵衛と小一郎は「相婿」という設定になるのでしょうか。慶(ちか/演・吉岡里帆)という名前だそうです。演者の吉岡さんの大河ドラマデビューということですが、快活な直(演・白石聖)と異なり、何やら暗い影を感じる登場でした。いったい秀吉一族にどのような影響を与えることになるのでしょうか。京都務めから秀吉と小一郎が岐阜に戻ってくると、一族が勢揃いしていました。
A:寧々(演・浜辺美波)の妹のやや(演・増井湖々)とその夫長吉(後の長政/演・大地伸永)までいましたね。浅野長政といえば、広島藩浅野家の祖です。赤穂事件(忠臣蔵)でおなじみの浅野内匠頭長矩の祖でもありますね。ややは『おんな太閤記』(1981年)では浅茅陽子さんが演じていて、秀吉が自分の出世のために無茶をするから、家臣が大変だという姿勢だったのが印象的でした。『豊臣兄弟!』では、どんなふうになるのでしょうか。
I:私は、一族が勢ぞろいして和気あいあい食事をしている風景をみて、秀吉一族がもっとも幸せだった一日だったのではないかなと思いました。寧々と秀吉もうまくまとまりましたし。この後、出世を果たしますが、一族がどうなったかを思うと……。
A:そういえば、『鎌倉殿の13人』(2022年)でも、そんな場面がありましたよね。第21回です(https://serai.jp/hobby/1075619)。当時の当欄記事を引用します。
I:喜びの中に、「やがて来る悲しみの種がまかれる」という胸に迫りくるシーンでしたよね。この後の歴史を知っている人にも、あまり詳しくない人にも、今後見続けることで印象に残るシーンとして設定された感があります。
A:時政、りく、全成、大姫、畠山重忠、そして稲毛重成(演・村上誠基)、さらには、生まれたばかりの時政の息子に畠山重忠の身ごもったばかりの子供……。満面の笑みの中にいる彼らの今後の運命を思うと、あまりに切ない……。
I:ほんとうに、なんだか切なくなりますね……。

●編集者A:書籍編集者。かつて『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり











