ふと目にした海外ドラマのセリフ、英語のニュースの一文。何気ない動詞が、思いがけないニュアンスで使われていて、思わず「へえ」とうなってしまう。そんな経験、ありませんか?
今回は、日常の中で出会える「ちょっと意外でおもしろい」英語の動詞を取り上げます。
さて、今回ご紹介するのは “You rock.” です

“You rock.”の意味は?
“You rock.” を直訳すると、「あなたは岩だ」ですが……、そこから転じて、
「最高!」「すごい!」「素晴らしい!」という意味の褒め言葉です。
人やもの事を「最高にいい」という時に使われます。
例えば、
“You rock! Thanks so much for everything.”
(最高だよ。本当にありがとう。)
などのように使うことができます。
この表現は、時に「ありがとう」という意味にもなります。カジュアルで、友達・同僚・家族向けの表現で、目上の人やフォーマルな場ではあまり使いません。
“rock”はどこからきた?

“rock” には、「岩」という意味がありますね。また、「揺れる・揺らす」という動詞の意味もあります。ロックンロール(“rock and roll”)は、その音楽を聴くと自然に身体が揺れ、動き出してしまうことから名付けられたそうです。
その後、今度はこの音楽ジャンルとしての「ロック」から影響を受けて、“rock”という動詞が「盛り上がる」「最高だ」といった意味で使われるようになりました。
「あなたは最高!」
英語には、「あなたは最高」「すごいですね」という気持ちを伝える言葉が、たくさんあります。親しい間柄で気軽にかけるひと言から、ほどよい距離感を保った表現、さらにはビジネスの場でも使える落ち着いた言い回しまで、その幅はさまざまです。ここでは、場面に応じてよく使われる表現を5つご紹介しましょう。
1. “You’re amazing.”
「あなたってすごいね」「感動したよ」という気持ちを伝える、いちばん定番の表現です。
2. “You’re great.”
「いいね」「素敵だね」と、何かを褒めるときやいい状態を表現するときに使います。
3. “You’re awesome.”
「あなたって最高」「すごいね!」という意味のカジュアルな表現です。友達同士やフランクな場面で使うと、テンポよく「すごい!」が伝わります。
4. “You’re the best.”
「最高!」「(あなたが)いちばんだよ」という、親しみと愛情のこもった褒め言葉です。距離の近い家族や仲のいい相手に使うことができます。
5. “I’m really impressed.”
「心から感心しています」という、少し落ち着いた表現です。努力や結果をきちんと見て評価している感じがあり、仕事やフォーマルな場にも使うことができます。
どの表現も「すごい」という意味ですが、距離感、関係性などによって少しずつ変わります。違いを楽しみながらぜひ使ってみてくださいね。
褒められた時、英語でどう返す?
日本では、褒め言葉をそのまま受け取ることに、少し照れたり戸惑ったりする人が多いですね。素直に喜べず、気恥ずかしさを感じることもあります。
日本語の感覚で「そんなことないです」をそのまま英語にしようとすると、つい “No, not at all.”や “It was nothing.” と言ってしまいがちです。けれど英語では、こうした返し方が、相手の言葉そのものを否定しているように聞こえてしまうことがあります。
英語では、まず相手の気持ちをそのまま受け取り、「うれしい」や「ありがとう」という思いを素直に表してみましょう。
「ありがとう」のヴァリエーション
気持ちをそのまま受け取る表現
“Thank you.”
(ありがとう。)
“Thanks, I appreciate that.”
(ありがとう。そう言ってもらえてうれしいです。)
“That means a lot.”
(とてもありがたいです。/本当にうれしいです。)

少し謙遜したいとき
“I’m still learning.”
(まだ勉強中です。)
“I’m working on it.”
(いま取り組んでいるところです。)
“Thank you. That’s kind of you.”
(ありがとう。そう言ってくれて、うれしいです。)
日本語の気持ちを少し肯定的に表現することが、自然な英語表現のコツかもしれませんね。
最後に
少し照れてしまうこともありますが、やはり褒められるとうれしいものです。とはいえ、日々の暮らしの中で、誰かに褒められる機会は、そう多くないかもしれません。それならば、ときには自分で自分を褒めてみるのはいかがでしょう。
アメリカの詩人、ウォルト・ホイットマン(Walt Whitman)は、人間の尊厳や自然の力を讃えました。
彼の代表作『 Leaves of Grass』 の一節より。
“I celebrate myself, and sing myself,”
(私は、私自身を祝福し、私自身をうたう。)
訳:池上カノ
出典:Leaves of Grass: Unabridged Deathbed Edition with 400 Poems, SeaWolf Press, 2023年
ウォルト・ホイットマンが自分自身を祝福するのは、自分を誇示するためではありません。この詩では、すべての人は等しく、価値を持つ存在であるのだから、自分もまた「祝福される存在」だと描かれています。
誰かに認められようとする前に、ときにはがんばっている自分自身を褒めてみることも、大切かもしれませんね。
次回もお楽しみに。
●執筆/池上カノ

日々の暮らしやアートなどをトピックとして取り上げ、 対話やコンテンツに重点をおく英語学習を提案。『英語教室』主宰。 その他、他言語を通して、それぞれが自分と出会っていく楽しさや喜びを体感できるワークショップやイベントを多数企画。
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●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com











