令和7年、今年の干支は巳(み・蛇)です。みなさんは蛇にどんなイメージをもっていますか。不気味? かっこいい? それともかわいいでしょうか。

時代が進んでも、日本人の心には十二の動物たちが棲み続けていて、年が改まるごとにその年の動物たちを愛でる習慣が生きています。

京都国立博物館で開催の「新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―」は、新春をかざる恒例の展覧会です。(1月2日~2月2日)

本展の見どころを、京都国立博物館主任研究員の水谷亜希さんにうかがいました。

「京都国立博物館では、今年も干支にちなんだ特集展示を行います。2025年の干支は巳(蛇)。「巳づくし―干支を愛でる―」では、美術の中に表わされた様々な蛇をご紹介します。

《草花獅子蛇文様金華布裂》(部分)京都国立博物館蔵
《能装束 淡紅地鱗文摺箔》京都国立博物館蔵

細長い体の不思議な生き物、蛇を見て、昔の人たちは恐ろしく思いながらも、特別な力を持つ存在だと考えてきました。昔話や伝承には、人を襲う恐ろしい大蛇が登場する一方、蛇は、水の神や、豊かな実りをもたらす神としても信じられてきました。

この展示では、「むかしむかし」「こわいヘビ」「ふしぎなヘビ」「ほとけとヘビ」の四つのテーマに沿って、大昔の土器にあらわされた蛇、インドの蛇、着物を着た蛇、長い体で漢字になりきる蛇など、個性豊かな蛇たちをご紹介します。

《有孔鍔付土器》京都国立博物館蔵

ファミリーで楽しんでいただけるよう、展示室の解説文は子ども向け(小学校高学年~)に執筆し、ワークシート(小学校低学年~)もご用意しました。子どもから大人まで、幅広い年代に楽しんでいただける展示です」

同時開催の「特集展示 新時代の山城鍛冶―三品派と堀川派―」(3月23日まで開催)は、戦国時代以後、戦乱で荒廃した京都が復興する過程で生まれ、全国に広がった黄金時代の刀剣を紹介します。新春にふさわしい凛とした会場に、足をお運びください。

《短刀 銘 日州住信濃守国広作/ 天正十九年二月吉日》 京都国立博物館蔵

【開催要項】
新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―
会期:2025年1月2日(木)~2月2日(日)
会場:京都国立博物館 平成知新館1階2展示室
特集展示 新時代の山城鍛冶―三品派と堀川派―
会場:京都国立博物館 平成知新館1階4・6展示室
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
電話:075・525・2473(テレホンサービス)
公式サイト:https://www.kyohaku.go.jp
開館時間:9時30分~17時。金曜日は~20時(入館は各閉館分前まで)
休館日:月曜日(1月13日、2月24日は開館)、1月14日(火)、2月25日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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