平安時代の食生活

羹次の宴を楽しむ道長(演・柄本佑)ら。 (C)NHK

I:さて、劇中では、道長始め、公任(演・町田啓太)、斉信(演・金田哲)、行成(演・渡辺大知)が食事会を開く様子が描かれました。「羹次(あつものついで)」という催しでしょうか。焼き鳥のようなものをほおばる姿が印象的でした。気になったので確認したところ、あれは雉(きじ)だそうです。雉の串焼きに雉鍋。とっても美味しそうに描かれていて、どこかで食べることができないかしらと思ってしまいました(笑)。

A:鮎も美味しそうでしたね。こういうシーンを見ると、いったい当時の人たちはどんなものを食べていたのだろうって、想像力がかきたてられますが、雉でしたか。天武天皇の時代(675年)に牛、馬、犬、猿、鶏を食べることを禁じる詔が発せられていますから、きちんとそれに準じている設定なんですね! ちょっと脱線しますが、明治4年(1871)に明治天皇によって肉食が解禁されますが、公的には天武天皇が発した詔以来の「肉食解禁」と言われています。「そんな馬鹿な!」と思ってしまいますが……。

I:道長らの「卓」には、野菜もいろいろあってこれは何? って思いながら見ていました(笑)。野菜もこのころ食べられたのは、里芋、茄子、大根、瓜などが主流。じゃがいもやキャベツ(玉菜)、トマトや白菜なんかもこの時代にはない野菜なんですよね。

A:あの短い描写でこれだけ歴史談義ができるのも、美術スタッフの方々の丁寧な仕事のおかげですよね……。さて、道長はこの宴席で公任から、面白い物語を書く女性がいると知らされます。

美味しそうな雉の焼き鳥。 (C)NHK

和歌の勉強会で和泉式部と出会う。次ページに続きます

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