大切に扱えば生涯、時を刻み続ける機械式腕時計ゆえ、手に入れるなら長年信頼されてきた老舗での購入をすすめたい。技術と知識に裏打ちされたふたつの名店で話を聞いた。

和光(東京都中央区)

天井が高く開放的な1階。グランドセイコーのほかクレドールやプレザージュ、海外ブランドの腕時計も陳列されている。

銀座のランドマークたる老舗で格別な腕時計を手に取る歓び

東京は銀座4丁目交差点の角に1894(明治27)年、『和光』の、初代の時計塔が完成した。2代目となる現在の時計塔は、1932年(昭和7)に渡辺仁建築工務所の設計で建てられて以来、銀座のランドマークといえる。2020年に1~2階が改装され、グランドセイコーの哲学が実感できる「グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座」となった。

館内には、現在発売されているグランドセイコーのほぼすべてのモデルが揃うだけでなく、『和光』だけの限定モデルも販売する。接客を行なう、河井俊樹さん(31歳)が館内をこう話す。

「1階はグランドセイコーのほか海外ブランドの腕時計が揃い、ウオッチベルトの交換や修理を受け付けています。2階はさらに高級感が漂う空間で、ライブラリーでは貴重な初代グランドセイコーの実機から設計図まで、歴史的な資料を展示しています」

『和光』の2階にはゆったりしたソファが置かれ、グランドセイコーの熱心な愛好家の自宅をイメージしたしつらえになっている。

また、2階では歴代の貴重な機械式モデルに、グランドセイコーサービススタジオに所属する修理技能士がオーバーホールや調整を施した“GSファインビンテージウオッチ”も販売する。和光で取り扱う「古き良き時代の腕時計」という点に信頼感を寄せて、購入する人が多いという。

ライブラリーには、1960年に発売された初代グランドセイコーの獅子の紋章やロゴの意匠を検討した設計図など、歴史的な資料を展示。

銀座を代表する格式ある店として知られる同店には、「人生の節目にグランドセイコーを買うなら『和光』で」との理由で来店する人も多いという。

「還暦のお祝いに購入される方も多いですね。孫の代まで残せる品物を、という想いで来店される方も多くいらっしゃいます。近年は、グランドセイコーならではの完成度や、高い精度が購入の動機になることも多いです」

ウオッチバーカウンターでは、世界に1本の腕時計をあつらえる「グランドセイコー ビスポークウオッチ」も注文が可能。

最高の一本の選び方

本格的な腕時計を購入するのが初めてという場合は、何を基準に選べばよいのだろうか。河井さんはこう助言する。

「腕時計を選ぶ上で大事なことのひとつは文字盤の色です。私は、迷っておられるお客様には“どんな色がお好きですか”と伺うことが多いです。グランドセイコーは定番の黒や白だけでなく、白樺林など自然を題材にした文字盤など、個性的なデザインが増えています。腕時計は仕事でもプライベートでも身に着けるものですから、文字盤を見たときに気分が高揚する色がいいと思います。腕時計とお召しになりたい服装に合わせて選ぶのもいいと思います」

洗練された接客や店内の落ち着いた雰囲気は、ここだけで味わえるものだろう。

河井俊樹さんがおすすめというグランドセイコー、SLGH005。グランドセイコースタジオ 雫石(https://serai.jp/hobby/1187338)で組み上げる逸品。

和光

『和光』のあるセイコーハウスは銀座の象徴。毎正時になると、ウェストミンスター式のチ
ャイムが鳴る。第1打が正時の知らせ。

東京都中央区銀座4-5-11
電話:03・3562・2111
営業時間:11時〜19時
定休日:年末年始
交通:東京メトロ銀座駅A9・A10出口より徒歩すぐ

※この記事は『サライ』本誌2024年6月号より転載しました。

 

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