石田三成との出会いと天体観測
I: さて、家康は大坂城内で、秀吉家臣の石田三成(演・中村七之助)と対面を果たします。天体観測話に花が咲き、友好ムードが漂いました。
A:家康と三成があんなやり取りをするわけがない! と感じた人がいたかもしれませんが、私は案外、ふたりは通じる部分があって、劇中のような交流が実際にあったかもしれないと思ったりしています。徳川家、豊臣家、石田家、そして北辺の津軽家が絡んでくる今後の人間模様がキーポイント。追々当欄で明らかにしていきたいと思います。
I:人間模様といえば、人質として浜松までいった秀吉の母大政所(演・高畑淳子)と井伊直政(演・板垣李光人)との交流も描かれました。現代風に表現すればイケメンだったという井伊直政に大政所がご執心という感じで描かれました。
A:ずいぶんデフォルメされて描かれていましたのでフィクションのように感じた方も多かったと思いますが、大政所が井伊直政を気に入ったというのは事実のようで、大政所が大坂に戻る際には井伊直政が同行しています。
I:よっぽど直政のことが気に入ったんですね。ちなみにこの時大政所は古希を迎えようという年齢で、一方の井伊直政はまだ20代半ば。孫ほどに年齢差があったということを補足しておきたいと思います。
A:大政所が病気をした際に病状を案じる手紙を出すほど母思いだった秀吉ですが、母が気に入った直政のことを「愛いやつ」と感じたようですね。
I:大坂城で秀吉に謁見した際に石川数正もいたらしいですね。
A:それもまた戦国を彩る人間模様ですよね。一方で、大政所の宿所に薪などを並べていたということもしっかり描かれていました。本作では登場していない本多重次が用意したといわれています。40年前の『徳川家康』では長門裕之さんが演じていましたね。
I:本多や酒井はたくさんいましたから、わかりやすくするためには端折るのもしょうがないですよね。
【餅売り婆再登場と真田昌幸。次ページに続きます】