修善寺に幽閉された金子大地演じる源頼家。最期まで鎌倉復帰を諦めなかった。(C)NHK

ライターI(以下I):『鎌倉殿の13人』で源頼家を演じている金子大地さんの取材会に参加しました。金子大地さんは北海道出身の新進気鋭の俳優です。大河ドラマ初登場で、2代目鎌倉殿という難役に挑んでいます。

編集者A(以下A):頼家にかかわるストーリーは鎌倉幕府の正史『吾妻鏡』に準じている印象なので、そのまま素直に受け取れば、「何もわかっていない2代目のボンボン」「蹴鞠にうつつを抜かし」「女性関係も派手で」「政治への取り組みもいいかげん」という感じになります。もっとさかのぼれば、富士の巻き狩りの際には、周囲の大人たちが段取りしてようやく鹿を射止める体をつくってもらったという場面もありました。

I:当欄では、「頼家暗愚誘導」ということで、北条氏によるでっち上げではないかと指摘してきました。ですから、やや頼家の立場に寄ってドラマを見ています。

A:そういう観点で頼家役の金子大地さんの取材会に臨みましたが、金子さんはそんな私たちの思惑をはるかに越えて、頼家の置かれた状況をしっかり把握したうえで演じていることが伝わってきました。

I:ちょっと鳥肌ものですよね。「特に印象に残っている台詞はありましたか?」という質問に対して、金子さんは「台詞ではないんですが」としたうえで、次の「場面」をあげたんですね。

〈ひとりで蹴鞠の練習をしているシーンは自分の中でも頼家を演じる上で、きっかけを得ることができたシーンになりました。誰を信用して、誰を頼っていいかわからない時に、いろんな大人たちに囲まれて、パンクしそうな状態でいたのを、頼家は、蹴鞠で紛らわせようとしていたのかなと。それが印象に残っています〉

I:第27回や29回で頼家が、ひとりで蹴鞠の練習をするシーンがありました。27話では、比奈が〈木に登って、降りられなくなっても、絶対に助けてくれって言わなかった。本当は助けてほしいんだと思いますよ〉といっていましたね。

蹴鞠は頼家にとって様々な意味があった。(C)NHK

A:金子さんのこの言葉を聞いてハッとしました。確かに父頼朝(演・大泉洋)が急に亡くなって、2代目を継いではみたものの、乳母の比企一族と母の実家北条家は反目しあっている。そのうえ側近格の梶原景時(演・中村獅童)はどうも御家人たちから人望がないらしい。張り切って何かをやろうと思っても、そうしたしがらみから解放されない。〈蹴鞠で紛らわせようとしていたのかな〉というのはまさにその通りだと思いました。この話を聞いて、27話のシーンを見返しましたが、グッと胸に迫ってきますね。

I:そうしたエピソードが演者の方から聞けるというのはすごく嬉しいことですね。さらに金子さんは頼家を演じるうえでの心構えについてこんなふうに語ってくれました。

〈(頼家が)鎌倉殿になるというのは生まれた時から決まっていて、本当にがんばろう、父を超えたいという思いはあったと思います。あまりにも早く鎌倉殿になってしまって、本当にあいつでいいのかと周りには思われ、自分でもそう思っていて、何をやっても源頼朝と比べられる。御家人たちからは信用されていないし、頼られていないし、自分がしようということに対して反対されると、それに反発してしまう。でもひとりになった時に、どうしようと不安になる。その葛藤が常にあるんですね。18歳で征夷大将軍になったんです。実際の頼家の不安や葛藤を演じられたらと思いました〉

座長小栗旬の「好きにやっていいよ」に救われた。次ページに続きます

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