『サライ』のオンラインサロン「Bar駱駝(バーらくだ)」。ここは、お酒をテーマに、新しい世界や人々と出会い、教養や知識を深めていくというオンラインでのコミュニティです。毎月開催されるオンライン講習会での豪華講師陣も『サライ』ならでは。猛暑日が続き、夏の到来に湧く季節に開催された3回目のテーマはビール。ビアジャーナリストとして国内外で活躍する、藤原ヒロユキさんにご登壇いただきました。

「Bar駱駝」の詳細はこちらの「Bar駱駝」会員募集(https://bar-rakuda.serai.jp)をご覧ください。

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター
一般社団法人『日本ビアジャーナリスト協会』代表
藤原ヒロユキさん
1958年大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てイラストレーターに転身。ビールを基軸にした食文化に造詣が深い。国際的なビールコンペティションである『ワールドビアカップ』(アメリカ)や、『グレートアメリカンビアフェスティバル』(アメリカ)、『インターナショナルビアカップ』(日本)などの審査員も務めている。現在は京都府与謝野町在住。国産ホップの認知度を高める活動をしている。著書の『知識ゼロからのビール入門』(幻冬舎)はベストセラーに。『まんがでわかる ビールが10倍美味しくなる知識』(小学館)の監修など、著書多数。

風土をビールで表現し、地域を盛り上げていきたい

――暑い日にキンキンに冷えたビールを飲む喜びは何物にも代えがたいです。日本人はビールをたくさん飲んでいると思っていましたが、※『2020年国別一人当たりのビール消費量』(キリン株式会社)によると、1位はチェコ共和国、2位はオーストリア、3位はポーランドとヨーロッパ諸国が席巻。日本は52位でした。
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/1227_03.html

私たち日本人は、キレがありさらっとしている「ラガースタイル」のビールを日常的に飲んでおり、ビールはこの一種類しかないと思っている人も多いです。しかし、ビールはさまざまな種類があり、味も香りも個性が際立っており、奥深く楽しいお酒なのです。

例えば、最近注目されている「IPA」。これはホップを大量に使っており力強い味わいが特徴です。あとはいわゆる黒いビールの「スタウト」。ナッツやチョコレート、コーヒーなどのような香りも楽しめますね。白ビールと言われている「ヴァイツェン」は、華やかな香りが特徴です。酸味のある「サワービール」やジュースのような「フルーツビール」など様々なスタイルがあります。

アルコール度数もさまざまなのです。一般的に4~5%のビールが飲まれていますが、中には10%を超えるものも。ドイツ・ミュンヘンの『アイスボック』(Eisbock・12%)がよく知られていますね。

――そんなに多くの種類があるとは思わず、ビールは1種類しかないと思っている人は多いです。言われてみれば、日本のクラフトビールも増えています。飲み方、楽しみ方をお聞かせください。

常陸野ネストビール「ホワイトエール」と、藤原さんが作った「与謝野ホップ」を用いたクラフトビール「ASOBI」

やはり、香りを楽しんでみるといいと思いますよ。ビールに香りがある感覚を磨くと、世界が広がっていくでしょう。

あとは、ビアツーリズムもおすすめです。私は京都の与謝野町でホップ(※)を育てるプロジェクトを行っています。ホップは7月上旬に収穫します。青空に向かってツルを伸ばすホップ畑を見ながら飲むビールもいいものです。
ビール文化が発展しているドイツには「ビールを旅させずに自分が旅をしろ」という言葉があります。醸造所を巡り、できたてのビールを味わうのもいいものです。

お手軽なのは、地方色豊かなビアバー巡りでしょうか。ビールは奥が深く、マニアックな店主が経営するバーも多いです。愛好家とコミュニケーションをしながら飲むのも楽しいですよ。

※ホップ……アサ科のつる性多年草で雌雄異株。雌花は「毬花」と呼ばれビールの原料のひとつ。ビールの苦味、香り、泡の重要な要素であり、防腐効果を高める働きも。

――ビールを通じて地域色を意識すると、日本のことがもっと深く知れるような気がします。

さらに手軽な楽しみ方として私が提案しているのが「環境ペアリング」という考え方です。地元の食べ物、風景、風土とビールをリンクさせて楽しむのです。例えば真夏の東京における「環境ペアリング」なら、暑い日に銭湯でひと汗流して、近くの豆腐屋さんでお豆腐を購入。冷ややっことともにサラッとしたラガービールと一緒に味わうのもいいですね。

また、東京タワーや高層ビル群など絵になる風景を見ながら、モルトのコクやホップの香りが豊かな「ペールエール」をゆっくり味わうのも都会的な感じがします。大阪、名古屋、博多……出張先のホテルの部屋でも「環境ペアリング」を意識しながら楽しむと、豊かな気持ちになると思いますよ。都会は意外なほど四季の移ろいが豊かにあります。そういう要素も取り入れながら、ビールを味わってみてください。

胸に付けたピンバッジは、藤原さんがご自身で描いたもの。ポップ栽培、クラフトビール生産のほかに、イラストの仕事もこなしている。

――世界中のビールを知り、楽しみ方を提案する藤原さんが、今後取り組んでいきたいことはどのようなことでしょうか。

今、クラフトビールがブームになっています。「地方創生」と「地産地消」を結び付けたビールのプロジェクトも増えています。その中には地産地消にこだわりすぎ、本末転倒になってしまっているケースも。これを脱して、おいしいビールでその土地を盛り上げるなら、やはり「風土をビールで表現すること」が重要です。風土や文化はその土地の温度・湿度・風景……様々なものが複合していますから、表面上のことだけではつかみきれないんですね。

今後やりたいこととして考えているのは、力がある醸造家に「その土地のビール」を造ってもらうこと。例えば、1~2か月滞在してもらい、そこで得たインスピレーションをビールとして表現してもらうのです。その土地の個性が香りと味で表現していれば、一口含むたびに、その土地の風景が広がっていくでしょう。それはきっと、多くの人の心をも魅了すると思います。

「藤原ヒロユキさんのビールトーク」ダイジェスト動画

8月の「Bar駱駝」入会/継続特典として、「久保田 純米大吟醸」「久保田 千寿 純米吟醸」の豪華2本セットをプレゼント!

《左》「久保田 純米大吟醸(720mL)」と《右》「久保田 千寿 純米吟醸720mL)」
1830(天保元)年に新潟県で創業した朝日酒造株式会社は、それから200年余、創業地内を流れる清澄な地下水脈と、地域の農家とともに研究を重ねながら育てた良質な酒米を使用し、越路杜氏から受け継いだ技術を用いて、品質本意にこだわった真摯な酒造りを続けています。
朝日酒造株式会社:https://www.asahi-shuzo.co.jp/

8月に「Bar駱駝」にご入会、または、会員のご継続をしてくださった方に、朝日酒造の「久保田 純米大吟醸(720mL)」と「久保田 千寿 純米吟醸(720mL)」を2本セットにしてプレゼントいたします。

「久保田 純米大吟醸」

香り、甘味、キレが融合した、新しいおいしさを追求したモダンでシャープな純米大吟醸酒。上質で華やかな香り、甘味と酸味が調和した味わい、久保田らしいキレのよさが、口の中でハーモニーを生み出します。上質な日本酒をカジュアルに楽しみたい方におすすめの一本。

「久保田 千寿 純米吟醸」

口当たりはやわらかく、ドライな飲み口。冷やすとほどよい酸味とキレを、常温になると酸味がたち、旨味の余韻を感じられる。さっぱりとした料理はもちろん、コクのある料理とも楽しめる。和食だけではなく、洋食や中華などとも相性のよい純米吟醸酒。

8月24日開催! オンライントークショー「エノテカが語るシャンパンの魅力」視聴チケットを販売しています!

「Bar駱駝」では、サロン会員限定でお酒にまつわる特別なイベントに参加することができます。そのうちの1つ、毎月末にゲスト講師によるオンライン講演会を開催予定です。

8月24日開催のオンライントークショーのゲスト講師は、ワイン専門店「エノテカ」の宮嶋秀之さん。ソムリエの資格を持つ宮嶋さんに、シャンパンの魅力や美味しく飲むコツを教えていただきます。

今回は特別に、LIVE配信の視聴チケットを販売いたします!

↓↓チケットご購入はこちらから↓↓

https://bar-rakuda.serai.jp

この機会にぜひ、Bar駱駝のイベントをご体験ください!

『サライ』オンラインサロン「Bar駱駝」会員募集中!

『サライ』オンラインサロン「Bar駱駝」会員募集の詳しい情報は、以下のページへアクセスしてください。
https://bar-rakuda.serai.jp

取材/前川亜紀 写真/一瀬立子(人物) 写真提供/朝日酒造株式会社、エノテカ

 

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