毬栗
▷読み:いがぐり
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「いがに包まれているままの栗」として説明されています。
▷言葉の成り立ち
「毬栗」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。まずは、「毬」という漢字について。「毬」の音読みは「キュウ」、訓読みは「まり・たま」です。ご覧の通り「毛」と「求」を合わせた字で、「求」が音を示しています。また、「求」は中心に引きしめる意味があることから、「毬」は毛を中に堅く詰めて作った毛まりやまりのことも指します。そして、まるくかたいものも示すことから、栗のいがを表す際にもこの漢字が使われているんですね。
続いて、「栗」の漢字について解説します。「栗」の音読みは「リツ」、訓読みは「くり」です。木の上に実をつけている形を表す象形文字(物の形を点やせんで表してできた文字)になります。
煮凝
▷読み:にこごり
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「煮凝」は「魚などの煮汁が、冷えて固まったもの。また、魚などを柔らかく煮て、煮汁ごとゼラチン・寒天などで固めた料理」という意味で説明されています。汁が冷えて固まったものと、寒天などを用いて固めた料理の両方を指す言葉です。「煮凝り」と送り仮名がつく場合もあります。
▷言葉の成り立ち
「煮凝」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「煮」という字は、魚などの煮汁を表しています。「凝」は「水分を含んだものが固まったり、凍ったりすること」を意味します。「凝」(こごり)は「凝る」(こごる)という動詞が名詞化したものです。また、「煮凝」は「煮凍り」という表記もあります。地域によっては、「こうごり」「こんごり」などとも呼ばれるようです。
心太
▷読み:ところてん
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「海藻のテングサを煮て寒天質をこし、型に流し込んで冷やし固めた食品」と説明されています。心太の食べ方には、地方ごとの違いが見られます。関東での最もポピュラーな食べ方は、酢醤油と一緒にいただく方法です。一方、関西では古くから、黒蜜とともに食べることが主流となっています。
その他にも、東北地方では生姜醤油や味噌で、四国ではだし汁やめんつゆで……など、バラエティー豊かな食べ方で親しまれていることがわかります。
▷言葉の成り立ち
平安時代には、「心太」は漢字の通り「こころふと」と呼ばれていました。「心太」という字の意味は、海藻を凝らせて作った食品を「凝海藻(こるもは)」と呼んだことに由来します。「凝海藻(こるもは)」は、「凝る(こごる)」が転じた「心」と、太い海藻を表現する「太」の字を当てて、俗に「心太(こころふと)」と呼ばれていたのです。
その後、室町時代には「こころてい」と読まれるようになりました。それがさらに訛って、「こころてん」→「ところてん」となったと言われています。呼び方は変化しましたが、漢字表記は「心太」が残りました。
生蕎麦
▷読み:きそば
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「そば粉だけで打ったそば。また、小麦粉などの混ぜものが少ないそば」と説明されています。「十割そば」の別名です。
江戸時代中期以降、多くの店がそばのつなぎをよくするために小麦粉を使用し始めました。その時に、高級店がつなぎのない「そば粉だけのそば」を強調する謳い文句として「生蕎麦」を使うようになったとされています。
▷言葉の成り立ち
「生蕎麦」を構成する漢字を見ていきましょう。「生(き)」とは「混じり気のない」といった意味の言葉。「生醤油」「生糸」にもみられるように、自然のままという意味を表す接頭表現です。そのため、「生蕎麦」は「そば粉だけで、混ぜもののはいらないそばのこと」を指す言葉といえます。
ちなみに「蕎麦」の語源は諸説あります。代表的なのは、原料である「そば麦」の形に由来するものです。そばの実は、三角形で突起状になっています。そこで「とがったもの」「物のかど」を意味する「稜」(そば)から、「そば麦」と名づけられ、それを用いた麺を「そば」と呼ぶのだと言われています。
他には、畑のソバ(旁)に植えることからという説や、山の険しいところを意味する岨(そば)で育つからという説もあります。
青梗菜
▷読み:ちんげんさい
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「葉柄が緑色の、アブラナ科の中国野菜」と説明されています。「青梗菜」は、葉柄部分は加熱してもシャキシャキした良い歯ざわりが残る、中華料理には欠かせない食材です。白菜や小松菜、ブロッコリーなどと同じ仲間で、「体菜(たいさい)」という和名がついています。
▷言葉の成り立ち
「青梗菜」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「青」は「緑色」を、「梗」は「堅い茎」を、「菜」は「野菜」をそれぞれ意味しています。チンゲン菜の見た目の特徴を表した漢字といえます。
「青梗菜」を「チンゲンサイ」と読むのは、中国語の発音がもととなっています。中国では「青梗菜」を「チンコンツァイ」と発音するのです。この発音が訛り、日本では「チンゲンサイ」として定着しました。
もちろん「青」に「チン」という読み方はありません。別々の由来を持った読み方と漢字が組み合わされて生まれた言葉なのです。
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