松永久秀の“どの口がいう”問題。

松永久秀(演・吉田鋼太郎)よ、大仏殿焼き討ちはどうなった!?

I:今週びっくりしたのは、光秀が対立する松永久秀と筒井順慶を引き合わせた場面です。一瞬、そんなのあり?という設定でしたが、吉田鋼太郎さん、長谷川博己さん、駿河太郎さんの熱演に引き込まれてしまいました。

A:設定の「あれ?」を演技力で強引にがぶり寄ってしまった感じですね。こういうの好きです。ここで興味深かったのは、松永久秀が光秀に対して〈大和は切り取り次第〉と信長にいわれていたのに、何故こんなことになるんだと怒る場面です。同様に〈四国は切り取り次第〉と信長に認められていたにもかかわらず反故にされた長宗我部元親という武将が出てくるのですが、なんとも意味深な場面でした。元親、『麒麟がくる』には登場するんでしょうか?(笑)。

I:私は、松永久秀が〈信長殿のことは好きだが〉とした上で、叡山焼き討ちに対して〈神仏をあそこまで焼き滅ぼすほどの図太さはわしにはない〉と言い放つシーンが印象的でした。東大寺大仏殿焼き討ちのことなど忘れてしまっているかのような口ぶりに、思わず〈どの口がいう〉とテレビに向かって言ってしまいました(笑)。

A:そのくらい図太くないと戦国をサバイブできないということでしょう。吉田鋼太郎さんの熱演で、松永久秀は実際にこういう人物だったのでは?と思わされましたね。しかも今週の松永久秀の台詞には名言もありました。

I:〈道を教える者を持たぬ者は、闇を生きることになるぞ〉と〈信長殿は何でも壊す。公方さまは古きもの、仏、家柄を守ろうとする〉ですね。

A:はい。特に前者はまさに現代にも通じる名言かと思いました。まさか、松永久秀からこのような教えを受けることになるとは(笑)。

武田信玄があの肖像画にクリソツな件

I:ところで、ついに武田信玄(演・石橋凌)が登場しました。天台座主覚恕(演・春風亭小朝)が甲斐まで逃げていたんですね。

A:石橋凌さんといえば、1988年の『武田信玄』では精悍な信長を演じていました。私は当時のイメージそのままに精悍な信玄が登場すると思っていましたが、思いっきり裏切られました(笑)。長谷川等伯の筆による「伝武田信玄像」やJR甲府駅前の武田信玄像にクリソツで、吹き出しそうになりました。

I:いい意味でやられたっていう感じでしたね。

A:大河では中井貴一さん(『武田信玄』1988年)や市川亀治郎さん(現・市川猿之助/『風林火山』2007年)が演じていましたから、逆に新鮮だったかもしれません。でもここで信玄が出てくるとなると、やっぱり「尺が足りない問題」が恨めしいですね。信長とは蜜月の関係にあった信玄がなぜ幕府側につくようになったのか、丁寧にやって欲しかったです。

I:またないものねだりを……。

A:そのほか正親町天皇が覚恕のことに触れる場面など、今週も見どころ満載でした。〈演者一丸〉となった熱量たっぷりのドラマは今後ますますスリリングになっていくと思われます。

I:しかもやがて登場する安土城は、すごいセットがつくられているという未確認情報があります。

A:いや、安土城は『麒麟がくる』放映前から楽しみにしていました。どんな形で登場するのか、楽しみですね。

●ライターI 月刊『サライ』ライター。2020年2月号の明智光秀特集の取材を担当。猫が好き。
●編集者A 月刊『サライ』編集者。歴史作家・安部龍太郎氏の「半島をゆく」を担当。初めて通しで視聴した大河ドラマは『草燃える』(79年)。NHKオンデマンドで過去の大河ドラマを夜中に視聴するのが楽しみ。 編集を担当した『明智光秀伝 本能寺の変に至る派閥力学』(藤田達生著)も好評発売中。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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