写真・文/矢崎海里
外国産のイメージの強いブロッコリーですが、11月~3月は旬を迎え、国産ものも多数流通します。
ブロッコリーは、野菜の中でも特に優れた栄養素を含んでいます。
付け合わせに添えたり、おかずのもう一品など、食卓に取り入れやすい食材です。
今回は、普段の食事にもう一品となる、ブロッコリーを使ったおかずを2品ご紹介します。
ブロッコリーの栄養
緑黄色野菜であるブロッコリーは、とにかく栄養満点の食材です。
ここでは、特に優れた栄養素をご紹介します。
・ビタミンC
100g中に120mg含まれており、これだけで一日分のビタミンCが摂取できます。
免疫力を高め風邪を予防する効果や、鉄を多く含む食品と組み合わせることで、吸収を促進するはたらきがあります。
ただし、この値は生での状態。
ビタミンCは水に溶けやすく、茹で水への流出や酸化での損失があるため、なるべく新鮮な状態で調理しましょう。
・β(ベータ)-カロテン
体内でビタミンAに変わるβ(ベータ)-カロテンが豊富に含まれています。
β(ベータ)-カロテンは抗酸化作用を有し、老化やがん予防にも有効とされています。
あぶらと組み合わせて摂ることで吸収率が高まるため、炒め物などの調理法がおすすめです。
・葉酸
100gで一日の約90%を補うことができます。
葉酸は胎児の発育や細胞の新生などに関わり、妊娠中の方が積極的に摂取するイメージですが、赤血球の産生に関わり、血液を作るのに不可欠な栄養素です。
ビタミンC同様、水に溶けやすく、酸化しやすいため注意が必要です。
上記以外にも、ビタミンKや食物繊維なども豊富に含まれています。
ここからは、ブロッコリーの栄養素を生かした減塩レシピをご紹介します。
ブロッコリーは茎にも栄養が豊富。
普段は捨ててしまっている方も、ぜひ活用してみて下さい。
ブロッコリーのチーズソテー
【材料】(1人分)
ブロッコリー 1/2株
人参 1/4本
黒胡椒 少々
とろけるチーズ 30g
【作り方】
1.ブロッコリーは食べやすい房に分ける。茎は固い部分を取り除き、薄切りにする。
2.人参は太めの千切りにする。
3.フライパンにブロッコリー、人参を入れ、水を5mmほど入れて火をつける。ふたをして、弱火で5分蒸し焼きにする。
4.水分が残っている場合、一度水気を切る。
5.一度野菜を取り出し、分量のチーズ・黒胡椒を入れ中火で加熱する。
6.チーズが溶けたら野菜を戻す。そのまま和えればチーズフォンデュ風に、さらに加熱するとカリカリのチーズが楽しめます。
ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンCの損失をなるべく抑えるため、電子レンジや少量の水で蒸しながら加熱します。
チーズの塩気だけで味を付け、調味料は不要。
家にある具材で簡単に作れるので、食卓が寂しいときの一品や、お弁当などにもおすすめです。
食塩相当量:0.4g
ブロッコリーとささみの海苔ごま和え
【材料】(1人分)
ブロッコリー 1/2株
鶏ささみ 1本
酒 小さじ1
韓国海苔 4枚
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
ごま油 小さじ1
いりごま お好みで
【作り方】
1.ブロッコリーは食べやすい房に分ける。茎は固い部分を取り除き、薄切りにする。
2.ささみは両面にフォークでいくつか穴を開ける。
3.耐熱容器にブロッコリーを入れ、ラップをふんわりかけ、600Wの電子レンジで1分加熱する。
4.一度取り出し、酒を振りかけたささみを入れ、ラップをふんわりかけ、600Wの電子レンジで1分半加熱する。
5.そのままあら熱が取れるまで置いておく。
6.ささみをほぐし、めんつゆ、ごま油を回しかけ、いりごま、ちぎった韓国海苔で和えたら完成。
電子レンジで加熱すれば、火も使わず簡単におかずが一品仕上がります。
ささみは加熱後余熱で中まで火を通し、パサつき知らず。
仕上げにごま油を回しかければ、風味もプラスしながら、あぶらと相性のよいビタミンを効率よく摂取できます。
食塩相当量:0.6g
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風邪気味、お正月太りが気になる、最近野菜不足で……、など、さまざまなお悩みを持つ方におすすめしたいブロッコリー。
栄養を逃さない調理法で、賢く食べましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。