写真・文/矢崎海里
せりは、早春の水辺に生える山菜で、1月~4月に旬を迎える山菜です。
独特な香りとシャキシャキとした歯触りが特徴のせりは、春の七草のひとつにも数えられます。
宮城県や茨城県で生産が盛んなせり。
旬のものは根元まで綺麗に洗われ、きりたんぽ鍋やせり鍋の具材として丸ごと食べられていますが、鍋の具材だけで味わうのはもったいない!
今回は、せりを使った春らしいレシピを2品ご紹介します。
せりとあさりのかき揚げ
【材料】(1人分)
せり 1/2束
あさりむき身 20g
天ぷら粉(まぶす用) 小さじ2
天ぷら粉(衣用) 大さじ2
水 大さじ2
揚げ油 適量
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1/2
お湯 大さじ1と1/2
【作り方】
1.せりは3cm程の長さに切り、あさりと合わせる。
2.具材に天ぷら粉をまぶす。別に衣の用の天ぷら粉を水で溶いておく。天ぷらの衣より少し固めに溶くのがポイント。
3. 溶いた天ぷら粉を具材のボウルに入れ、全体に絡ませる。
4.2等分にし、お玉などで丸く整え、170度に熱した油で返しながら揚げる。
5.油を切り、うつわに盛る。お湯で割った天つゆにつけて召し上がれ。
あさりと合わせた、春の訪れを感じる一品。
2種類の具材のみで揚げたかき揚げは、せりをたっぷり堪能できます。
天つゆにおろし生姜や大根おろしを添えたり、そばやうどんのトッピング、かき揚げ丼などで楽しむこともできますよ。
せりは、野菜の中では鉄分を豊富に含む食材です。
また、あさりは食品の中でも鉄分含有量が多く、食事に手軽に取り入れられるあさりの水煮缶や佃煮などがおすすめです。
せりと合わせ、1人前で一日に必要な鉄分のうち、8割ほどを補うことができます。
日本人は鉄分が日々不足しがちなので、意識して摂取したいですね。
食塩相当量:1.0g
せりのとろろ昆布にぎり
【材料】(1人分)
せり 1/3束
ご飯 一膳
とろろ昆布 適量
いりごま 少々
かつお節 お好みで
めんつゆ 小さじ1/2
【作り方】
1.せりは細かく刻み、いりごま、かつお節、めんつゆ、ご飯と一緒に混ぜる。
2.食べやすい大きさに握り、まわりにとろろ昆布をまぶしたら完成。
せりを生のまま混ぜご飯にすることで、より香りと食感を楽しむことができます。
今回はとろろ昆布を巻き、とろろ昆布の旨味と塩気を楽しむ薄味のおにぎりにしました。
そのままお弁当のご飯として彩りにも使えます。
せりには、ビタミンKが豊富に含まれていることが特徴です。
一人分で一日の目標量のうち、約1/3を補うことができます。
食塩相当量:0.4g
* * *
今回ご紹介した食べ方以外にも、おひたしや炒め物、煮物などさまざまなメニューに変身するせり。
山菜の中ではあくが少なく食べやすいので、ぜひ食卓に並べてみて下さいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。