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健康

自分で治す!「四十肩・五十肩」痛み解消メソッド

文/鈴木拓也

簡単なセルフケアで中高年の肩のトラブルを一掃するセルフケア|『四十肩・五十肩は自分で治せる!』

■四十肩・五十肩は自然に治ることはない

肩に痛みがあったり、腕を上げられなかったりする「四十肩・五十肩」。中高年層によく見られる症状であることから、この呼び名がついている。

これについて、「40~50代になれば、誰にでも起こることだからしかたない」「放っておけば治る」などと思っていないだろうか?

こうした認識は「代表的な誤解の例」だと言うのは、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎さんだ。

酒井さんによれば、まず、四十肩・五十肩の症状は、もっと若い世代あるいは高齢者世代でもよく見られるというのが1点。そして、四十肩・五十肩と自分では思っても、医療機関では似て非なる腱板断裂やインピンジメント症候群と診断される例が散見されるという。腱板断裂の患者数は、約600万人。50代の4人に1人はこれに罹っていると推計されている。そして、軽度でない限り、四十肩・五十肩は自然に治ることはないとも。
軽く考えて放置しているうちに重症化して、手術を宣告されることもあるというから恐ろしい。

■四十肩・五十肩はセルフケアで改善できる

しかし、四十肩・五十肩を含む肩周りのトラブルは、セルフケアによって改善できるという。酒井さんは、そうしたセルフケアを著書『四十肩・五十肩は自分で治せる!』(学研プラス)にまとめている。

さっそく、本書に掲載されているセルフケアの1例を紹介しよう。まず、バスタオルを1枚用意し、ぐるぐるときつく巻いてひもで固定する。これを縦にして、左右の肩甲骨の中央に当て、以下の写真のように仰向けになる。

ぐるぐる巻きのバスタオルを背中にして仰向けになる(本書32pより)

ぐるぐる巻きのバスタオルを背中にして仰向けになる(本書32pより)

このとき、手のひらは上にし、体の前面を全体的に、大きく開いて伸ばすイメージで。時間は1~3分。1日に1~3回行う。
酒井さんは、この効果を「上半身全体に好影響を及ぼすことができるストレッチ。肩・首・脊椎(背骨)の骨と骨から構成される各関節の状態に加え、緊張・収縮・硬化しがちな筋肉までリフレッシュさせます」と説明。「巻き肩」と「前傾姿勢」の矯正にも有効だとしている。

■ストレートネック・巻き肩から始まる肩のトラブル

ここで、肩こりや猫背との関連がしばしば指摘される「巻き肩」という言葉が出てきて、意外に思われたかもしれない。実は、四十肩・五十肩を含めた肩のトラブルのほとんどは、「ストレートネックと巻き肩から始まります」と、酒井さんは説く。
ストレートネックとは、(本来は緩やかにカーブしている)頚椎が真っすぐになった状態、巻き肩とは、(本来は前後中央の部分が耳の下にある)肩の位置が前方に移動してしまっている状態を指す。

この状態の持ち主は、四十肩・五十肩の予備軍でもあるという。酒井さんは、日本人の約9割にストレートネックの兆候があると見ており、今後四十肩・五十肩へと発展する人が増えることを危ぶむ。

しかし、上のような簡単なセルフケアで矯正でき、四十肩・五十肩への進行を未然に防げると力説している。本書に収載のセルフケアは、テニスボールや枕を使ったストレッチなど、費用をかけずにできるものばかり。しかも、これらをやるだけで「『腕を切り落としたいほど』の肩の激痛が1カ月半で完全に消え、消炎鎮痛剤が手放せた」など、大きな効果を体感する人が続出。習慣化が容易なのも大きなメリットだ。

■生活習慣も改めて再発防止をはかる

もう1つ、酒井さんは、「ストレッチを実践し、症状を解消したとしても、悪い日常生活習慣を改めなければトラブルが再発してしまうのは時間の問題です」と諭す。

「悪い日常生活習慣」の最たる例は、うつむいた姿勢になりがちなスマホやパソコンの使用だ。とはいえ、現代人がこれ無しで生活するのは難しい。そこで、こうした文明の利器とうまく付き合う対策として、酒井さんがいの一番に挙げるのが、「モニターの高さ」だ。
スマホ・携帯電話については、端末本体を「顔の高さ」に上げる。長時間使って疲れそうなら、本体を持った手の脇の下に、反対の手で作った握りこぶしを入れて疲れを軽減させる。デスクトップパソコンの場合は、目線の高さにモニターが来るよう高さを調整する。ノートパソコンなら、パソコン台の上に置いて高さを確保するなど工夫したい。
このほか、買い物袋を持つとき、寝る時の姿勢、入浴時の留意点など、生活面の多岐にわたるアドバイスがなされている。

すべてを実行するのは面倒に思われるかもしれないが、対価として得られるのは、肩の痛みは言うまでもなく「睡眠の質が向上」「二重あご・首のシワ・クマ・くすみを一掃」など、健康上のうれしい改善だ。「四十肩・五十肩かな」と不安を感じている方は、本書を読まれ、各種セルフケアを励行してみるとよいだろう。

【今日の健康に良い1冊】
『四十肩・五十肩は自分で治せる!』
https://hon.gakken.jp/book/2380107900

(酒井慎太郎著、本体1100円+税、学研プラス)
『四十肩・五十肩は自分で治せる!』

文/鈴木拓也
老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は散歩で、関西の神社仏閣を巡り歩いたり、南国の海辺をひたすら散策するなど、方々に出没している。

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