前回、肌の乾燥とかゆみの対策法(https://serai.jp/health-2/kanpo/31179)で血虚のアドバイスは教えていただいたので、今回は老化を防止する養生や漢方薬を教えていただきましょう。
老化の防止とは、具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
「生まれつき持っているエネルギーを増やすことは不可能なのですが、残っているエネルギーの浪費を最小限にとどめたり、適正な食事を摂って後から得られるエネルギー(飲食物から作られるエネルギー)で補うなどの対応ができます。生活習慣では、房事過度、過労、無理なダイエット、寒い環境を避けることが挙げられます。また、下半身にはエネルギーを補うのに有効なツボが多く集まっているので、入浴してよく身体を温めたり、腹巻きの着用、カイロなどで腰を温めるなどの養生もおすすめです。食事では、山芋や黒豆、えびや栗などを積極的に摂取し、料理をする際は温かい調理法を心がけましょう」
身体を温めることが、老化防止にもつながるのですね。これからの寒い季節には注意したいと思います。漢方薬ではどのようなものがありますか?
「老化現象による抜け毛の対策には、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)や八味地黄丸(はちみじおうがん)といった漢方薬が用いられます。これらの漢方薬には附子(ぶし)という身体を強力に温めてくれる生薬が含まれており、冷えや血行不良の改善にも役立ちます。ただし、胃に負担のかかる生薬が含まれているため、胃腸の弱い人は医師や薬剤師に相談してから服用するようにしましょう」
これらの漢方薬はどこで手に入りますか?
「漢方薬を手に入れるには、やはり漢方医の診察を受けたうえで、ご自身に合っているものを処方してもらうのが一番です。特に、すでに病院を受診されている場合は、主治医にまず相談してみましょう。ちょっと試してみたいというのであれば、漢方薬局やドラッグストア、インターネットなどでもお求めになれるものもあります」
文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。
取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。
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