
最近、寝つきが悪かったり夜中に何度も目が覚めてしまったりして、睡眠の質が落ちていると感じていませんか?
忙しい日々を過ごしていると、自律神経が乱れて不眠につながることがあります。そこで、あんしん漢方所属の薬剤師の碇純子さんに、不眠の原因と今日から試せるセルフケアをうかがいました。
なぜ不眠が起こるの?

不眠の原因のひとつは、自律神経の乱れです。自律神経は体を活動的にする交感神経と、休息状態にする副交感神経の2つからなり、両者がバランスをとって機能しています。
しかし、女性ホルモンのバランスの変化や、仕事や家事などによる疲労、ストレス、生活リズムの乱れなどが続くと、体は休みたいのに交感神経が優位なままになり、脳が休息モードに入りにくくなります。これにより、寝つきにくさや途中覚醒などの不眠につながりやすくなるのです。
また、冬場は室温が下がることで体温が奪われ、夜中に目が覚めやすくなることもあります。こうした複数の要因が積み重なることで、「最近なんだか眠れない」という不調につながるのです。
快適な睡眠を手に入れるためのセルフケア

不眠を緩和して快適な睡眠を得るには、自律神経を整え、就寝前に体をリラックスさせることが重要です。ここでは、始めやすいセルフケアを3つ紹介します。
1.睡眠環境を整える
寝具や寝間着は、季節に合った素材を選びましょう。寒い時期は保温性の高い素材にすることで体の冷えを防ぎ、途中覚醒を減らすことにつながります。
また、寝室の温湿度も質のよい睡眠に影響します。空調や加湿器を適切に使い、室温が低すぎたり乾燥しすぎたりしないよう調整しましょう。
とくに、冬場は就寝前に寝室や寝具をあらかじめ暖めておくことで、スムーズに入眠しやすくなります。ただし、温めすぎるとかえって寝つきが悪くなることがあります。布団の中は、温度は33℃、湿度は50%程度になるように調整しましょう。(※1)
2.就寝前にストレッチをする
ストレッチには、筋肉の緊張をゆるめ、副交感神経を優位にする効果が期待できます。

(1) うつ伏せになり、脚を肩幅に開き、両手のひらを肩の隣につく。
(2) 息を吸いながらゆっくり上半身を起こす。
(3) 自然に呼吸をしながら30秒ほどキープする。
(4) 息を吐きながら上半身を床に下ろす。
(5) 2〜4を数回繰り返す。
呼吸を止めると体が緊張状態になるため、ゆっくりと呼吸し、止めないようにしましょう。テレビやスマホなどは消し、照明を落とした静かな空間で行うとより効果的です。
3.遅い時間の食事や飲酒を控える
夜遅い時間に食事をとると、胃腸が活発に働いたままとなり体が休息モードに入れません。夕食は就寝の3時間以上前には済ませましょう。どうしても遅い食事になる場合は、消化のよい温かいスープや雑炊などを選ぶと胃の負担を減らせます。
また、お酒は眠りを浅くし、夜中に目が覚める原因になることがあるため、飲みすぎには注意が必要です。適量を守り、就寝時間の直前に飲酒するのは避けましょう。
不眠におすすめの漢方薬

不眠の根本原因から改善したいなら、心と体のバランスを整えて体質を改善することで不調の緩和を目指す漢方薬の活用がおすすめです。たとえば、以下のように「精神の興奮を和らげる」「血流をよくする」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
上半身にたまった過剰な熱を冷ますことで、精神の興奮を和らげて不眠やイライラを改善する漢方薬です。
・酸棗仁湯(さんそうにんとう)
胸部にこもった熱を冷まして高ぶった心を落ち着かせることで、過度の心労や疲労による不眠を改善する漢方薬です。
漢方薬はご自身の体質や症状に合ったものを選ぶことが大切です。ご自身に合っていないと思わぬ副作用が出ることもあるため、専門家に相談してから服用しましょう。
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今夜からできる小さな一歩で、心地よい眠りへ

睡眠の質は、少しの工夫で大きく変えられます。ストレスや環境の変化が眠りに影響していると感じたら、まずはできることから始めてみましょう。小さな積み重ねが、深い睡眠とすっきりした目覚めにつながっていきます。
<参考文献>
※1 厚生労働省健康日本21アクション支援システム 〜健康づくりサポートネット〜「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-003)
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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