冬の不調は「冬の快適リスト」を作成して乗り切ろう！【「冬ブルー」に効果的なセルフケア】

「季節ブルー」という言葉をご存じでしょうか？　特定の季節の変わり目に決まって心や体の不調が現れる状態を指し、医学的には「季節性感情障害」（SAD）と呼ばれています。

精神科医の長沼睦雄さんは「毎年やってくる季節の変わり目の不調。それは、あなたの『気のせい』でも『怠け』でもありません」と言います。

長沼睦雄著『その、しんどさは「季節ブルー」』（日本文芸社）の中から、冬に訪れる季節ブルーに対しての対策を紹介。今回は、「あなたの『冬の快適リスト』を作成しよう」と「光のシャワーを浴びるイメージング」を取り上げます。

冬の不調を乗り切るための、とっておきのセルフケア２選を紹介します。

自分にとっての「冬の快適リスト」を作成する

雪が音を吸い込み、世界が静寂に包まれる冬。寒さや日照時間の短さから、耐え忍ぶ季節と捉えられがちです。しかし、視点を変えてみれば、冬は温もりや安らぎ、そして心地良さを１年で最も深く、豊かに味わうことができる季節でもあるのです。

そこで、寒さが過ぎ去るのをただ待つのではなく、冬の快適さをリストアップすることで、冬をより温かく創造的な時間へとデザインし直しましょう。

まず、お気に入りのノートを見開きで使い、ページをいくつかのカテゴリーに分けましょう。たとえば、「温かい飲み物」「心地良い肌触り」「癒やされる香り」「心が温まる活動」「体が喜ぶ食べ物」「訪れたい場所」といった具合です。
それぞれのカテゴリーに、あなたが「心地良い」「快適だ」「幸せだ」と感じる具体的な事柄を、思いつくままに書き出してみてください。過去の温かい記憶をたどるのも、いつかやってみたいと憧れていることを記すのも素敵です。

完成したリストは、手帳に挟んだり、壁に貼ったり、いつでも見返せるようにしておきましょう。心が曇りがちな日、体の芯まで冷え切ってしまった夜、そして何をしていいかわからなくなったとき、このリストが心の処方箋となって、進むべき方向を優しく照らしてくれます。自分をいたわるための、具体的でポジティブな行動計画です。
冬は自然界のエネルギーが内側へと向かう陰の季節。このワークは、そのエネルギーの流れに乗り、自分の内側にある快い感覚へ静かに焦点を当てる練習です。自分にとっての心地良さを深く知り、自分自身を大切にしましょう。

ごく短時間、光のシャワーを浴びる瞑想をする

冬は日照時間が短く、太陽の光を浴びる機会が減ります。これが気分の落ち込みやエネルギー不足の一因となります。そこで、実際に太陽が出ていなくても、心の中でイメージしてみましょう。イメージする力を使って、心と体に、光のエネルギーを取り込む短い瞑想を行います。

静かな場所に楽な姿勢で座り、目を閉じます。深呼吸をして心を落ち着かせます。そして、はるか上空に黄金色に輝く太陽がさんさんと輝いているのを想像します。

次に、その太陽からきらきらと輝く光のシャワーが、頭から体の中へと降り注いでくるのをイメージします。その光は、あなたの脳を優しく満たし不安や混乱を溶かします。首、肩、胸、お腹へと流れ、冷えてこわばった体を内側から温めていきます。

この光の瞑想は、朝起きたときや、日中に気分が晴れないときに行うのがおすすめです。わずか数分でも、心に明るさと活力を取り戻す助けとなります。

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　その、しんどさは「季節ブルー」
著／長沼睦雄
日本文芸社　1,870円（税込）

長沼睦雄（ながぬま・むつお）
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。
昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14年間児童精神科医として勤務。平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院（10年目）。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」を結んだ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』（共に永岡書店）、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10代のための疲れた心がラクになる本』（共に誠文堂新光社）など著書多数。

※『そのしんどさは「季節ブルー」』（著・長沼睦雄／日本文芸社）より、一部を抜粋してご紹介しています。