
昨今、「睡眠」が注目されています。「睡眠」が私たちに及ぼす影響は計り知れず、その質が悪いと健康不良はもとより病気のリスクを高めることもわかってきています。
寝具や照明を変えたり、入眠に良いと言われる方法を試したりと、「睡眠の質」を向上させようと苦労している人は多いのではないでしょうか。
プロスポーツ選手や芸能人など、約7万人の体をケアした治療家の松本光平さんは、良質な水と天然塩を合わせた「ミネラル水」を飲む習慣を身につけることで睡眠の質をあげる方法を見つけました。「ミネラル水」によって、血液、リンパ液に続く「第3の体液」と呼ばれ注目される「脳脊髄液」が増え、免疫アップをはじめ、肩こり、腰痛、骨盤の歪み、高血圧、不眠など心身の不調が改善されるというのです。
そこで今回は、松本さんの最新著書『「水と塩」でできる 究極の免疫セルフケア』(三笠書房)の中から、体内のリズムに合わせた昼寝の方法についてご紹介します。
文/松本光平
疲れを取りたいなら、20分間の昼寝とミネラル水を!
近年、「昼寝」の効用が高く評価され「パワーナップ」(積極的仮眠)という言葉が定着しつつあります。AppleやGoogle、Microsoft、NIKEなどの世界的企業では、オフィス内に仮眠スペースや睡眠装置などが設置されているそうです。
もちろん、そのような設備で寝転び、しっかりと昼寝ができれば理想的です(あおむけの姿勢で、後頭部を刺激しながら眠れる点は、大きなメリットです)。
けれども、一般的なデスクで、席に座ったままの姿勢で行う昼寝でも、かなりの効果が得られます。しかも、「20分前後」という短時間の昼寝のほうが、1時間以上の昼寝よりもいいという事実が明らかになっています。
ここでは、ごく一般的な日本の職場にお勤めの方でもすぐ採用できる、エナジーフローを整える昼寝についてお話しします。
まず、昼寝の効用についての研究をご紹介しましょう。
NASA(アメリカ航空宇宙局)の睡眠研究の実証実験では、26分間の仮眠で認知能力が34%、注意力が54%も向上したそうです。
確かに、昼食の直後は誰しも眠くなるもの。その一因には「昼食による血糖値の急上昇」がまず挙げられますが、それ以外に「生体リズムによる影響」もあります。
通常、人は午前2~4時頃、午後2~4時頃に眠気のピークが訪れるよう、体内時計が設定されています。ですから昼食後に眠気が訪れるのは、自然な現象です。
可能であれば、その欲求に従うのが人の生理にかなっているのです。
では、なぜ「26分」という比較的短い時間で、目覚ましい効果を得られたのでしょうか? この問題には、睡眠周期が大きく関係しています。
睡眠には「レム睡眠」(浅めの眠り)と「ノンレム睡眠」(深い眠り)の2種類があります。また「ノンレム睡眠」は、さらに4つのステージに分けられます。
アメリカ・カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカーの研究では、入眠後約20分で訪れる「ステージ2」で、脳内の「キャッシュ・メモリ」(一時的に保管された情報)がきれいにされたり、「ワーキング・メモリ」(一時的に情報を脳に保管して、処理する能力)が強化されたりすることが明らかになりました。そのおかげで、頭がスッキリするというわけです。
けれども仮眠が30分以上に及ぶと、「ステージ4」へと進み、深い眠りになります。すると、目覚めた後もボーっとしてしまいます。だから、昼寝は約20分で切り上げるのが最高なのです。どうでしょう、あなたも昼寝をしたくなりませんか?
ただしデスクで眠る場合、「椅子に座り、前に突っ伏す姿勢」になりがち。せめて、クッションやひざかけなどをたたんで「枕」にするのがおすすめです。
そして、昼寝の最大限のメリットを享受するために、忘れてはいけないのがミネラル水! 昼寝の前後に一口以上ずつ、飲みましょう。
昼寝の前にとることで、睡眠中の脳脊髄液のデトックス効果を促すことができます。昼寝の後にとることで、睡眠中のプチ脱水症状を解消することができます。
「いくら短くても、昼寝をしたことで、夜に眠れなくなってしまうのでは?」
よくそう聞かれますが、心配はご無用です。昼寝とは、前にもお話ししたように、体内リズムに沿った営み。ですから、夜の睡眠に悪影響を及ぼすことはありません。むしろ、夜の睡眠の質や、翌朝の目覚めまで良くなります。
どちらかというと「睡眠負債」を抱えている方のほうが多いはず。睡眠不足を解消するためにも、昼寝の習慣化を強くおすすめします。
夜の睡眠時間の目安は、約6時間とれれば、なんとか合格。どんなに短くても4時間半以上は確保したいもの。「これらの条件をクリアするのが難しい」という人ほど昼寝とミネラル水の摂取を徹底していきましょう。睡眠の質も、あなたの免疫を大きく左右します。
言わずもがなですが、昼寝の際も、夜の睡眠の際も、スマホの電源は切る(機内モードにする)、もしくは離れたところに隔離できればベストです。
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『「水と塩」でできる 究極の免疫セルフケア』
著者/松本光平
三笠書房 869円(税込)
松本光平
治療家、柔道整復師、整体師、カイロプラクター、オステオパスD.O.。1980年島根県生まれ。京都産業大学外国語学部卒業。大学在学中にお笑い芸人を志して、吉本興業NSC25期生として5年間在籍。同期生は、ジャルジャル、銀シャリなど。しかし、舞台と過労のため椎間板ヘルニアを患い歩けなくなり、整体で改善したことで自らも治療家の道に入り、整体院ボディーケア松本を開院。独自の手法である、整体・癒楽心体療法を開発、セルフケアのアプローチが評判になる。特に、血液、リンパ液に次ぐ「第3の体液」と呼ばれる脳脊髄液に注目、免疫を高めるメソッドとして確立し、さまざまな体の不調に対し大きな治療効果を上げている。プロスポーツ選手、芸能人など、多数の著名人クライアントからの信頼も厚い。元関西医療大学準研究員、一般社団法人日本統合手技協会代表理事。











