昨今、「睡眠」が注目されています。「睡眠」が私たちに及ぼす影響は計り知れず、その質が悪いと健康不良はもとより病気のリスクを高めることもわかってきています。

寝具や照明を変えたり、入眠に良いと言われる方法を試したりと、「睡眠の質」を向上させようと苦労している人は多いのではないでしょうか。

プロスポーツ選手や芸能人など、約7万人の体をケアした治療家の松本光平さんは、良質な水と天然塩を合わせた「ミネラル水」を飲む習慣を身につけることで睡眠の質をあげる方法を見つけました。「ミネラル水」によって、血液、リンパ液に続く「第3の体液」と呼ばれ注目される「脳脊髄液」が増え、免疫アップをはじめ、肩こり、腰痛、骨盤の歪み、高血圧、不眠など心身の不調が改善されるというのです。

そこで今回は、松本さんの最新著書『「水と塩」でできる 究極の免疫セルフケア』(三笠書房)の中から、体の不調を整える「脳脊髄液」についてご紹介します。

文/松本光平

心身のコンディションを整えてくれる「エナジーフロー」

超一流の人たちが「常にハイパフォーマー」でいられる理由は、彼らの体はエナジー(Energy)が、理想的な状態でフロー(Flow)しているからです。わかりやすく言うと、細胞レベルから潤い、神経伝達がスムーズに行われている。だから、全身の機能や能力が常に高く、体を思い通りに操ったり、強いメンタルを保ったりできているのです。睡眠時間が、たとえ極限まで少ないとしても、です。

そのおおもとには「脳脊髄液(のうせきずいえき)が豊富で、なおかつ体内をうまく巡っているから」という秘密がひそんでいます。これはあまり指摘されてはいませんが、揺るぎのない事実です。

「脳脊髄液」とは血液、リンパ液とならんで、「第3の体液」と称される体液のことです。その名の通り「脳」(大脳・小脳)と、脊柱にある「脊髄」の周りを保護しながら、循環している液体のことです。「髄液」(Cerebrospinal Fluid/CSF)、「脳漿(のうしょう)」などと言い換えると、ご存じの方も多いかもしれません。

この脳脊髄液(脳漿)がうまく流れている状態を「エナジーフロー」(Energy Flow)と呼んでいます。なぜなら脳脊髄液の理想的な循環こそが、心身のコンディションを整えてくれるものだからです。

脳脊髄液が流れる仕組み

忙しくても、「睡眠の質」は上げられる

脳脊髄液が潤沢にあり、老廃物の“掃除”も行き届いた脳の場合、エナジーフローは整い、睡眠の質も高いレベルで保つことができます(免疫も自ずとアップします)。まず解消できるのが「不眠」という問題です。

「なぜか眠れない」と訴える高齢の患者さんは多いものです。パソコンに長時間向き合う職業の方も、「頭が冴えて寝付けない」とよく悩んでおられます。そういった方々のお話を聞くにつけ、「眠ることにも、実はパワーが必要なのだ」と教えられます。

もちろん、スムーズな入眠のためには、「日中の運動量を増やすこと」「眠る数時間前から液晶画面を見ないようにすること」が大事です。しかしそれでも眠れない場合は、自律神経をはじめ、神経の伝達が乱れている可能性が高くなります。

逆に言うと、エナジーフローを調整し、神経の伝達を正常化できれば、不眠や「浅い眠り」といった睡眠にまつわる問題は途端に解消します。「今はぐっすり眠るときだ」という指令を、脳から全身に速やかに伝えることができるからです。

近年、「睡眠負債」なる概念が提唱され、「質の良い睡眠」の重要性が叫ばれるようになりました。睡眠負債とは、「わずかな睡眠不足が、借金のようにじわじわ積み重なる状態」のこと。睡眠負債が命に関わる病気の発症リスクを高めることも、明らかになっています。

ですから私も「たとえ短時間しか眠れないとしても、ミネラル水で脳脊髄液を増やし、眠りの質を高めましょう」と助言をしています。

もちろん睡眠の質を高めようと工夫を重ねている人は、昔よりも増えています。
たとえば、よく聞くのは「寝具に凝っている」というような話です。環境面の整備は、確かに大事でしょう。けれどもそれ以上に、脳内の状態について気を配ることも、忘れないでください。

逆に言うと……。睡眠の質が上がると「脳脊髄液の循環がより促され、神経の修復も進み、伝達回路が一層スムーズになる」、こんな好サイクルも回り始めます。なぜなら、就寝中の時間帯に、脳脊髄液の排出が最も高まるからです。

「睡眠負債」と「免疫負債」を合わせた「ダブル負債」を解消すれば、より健康になり、エナジーフローも整っていきます。

未来の自分自身のために、溜まった負債は早めに返しておきたいものです。

*  *  *

『「水と塩」でできる 究極の免疫セルフケア』
著者/松本光平
三笠書房 869円(税込)

松本光平
治療家、柔道整復師、整体師、カイロプラクター、オステオパスD.O.。1980年島根県生まれ。京都産業大学外国語学部卒業。大学在学中にお笑い芸人を志して、吉本興業NSC25期生として5年間在籍。同期生は、ジャルジャル、銀シャリなど。しかし、舞台と過労のため椎間板ヘルニアを患い歩けなくなり、整体で改善したことで自らも治療家の道に入り、整体院ボディーケア松本を開院。独自の手法である、整体・癒楽心体療法を開発、セルフケアのアプローチが評判になる。特に、血液、リンパ液に次ぐ「第3の体液」と呼ばれる脳脊髄液に注目、免疫を高めるメソッドとして確立し、さまざまな体の不調に対し大きな治療効果を上げている。プロスポーツ選手、芸能人など、多数の著名人クライアントからの信頼も厚い。元関西医療大学準研究員、一般社団法人日本統合手技協会代表理事。

 

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