ダイエットというと、食事制限したり、運動を続けたりと頑張って続けないと効果が出ないというイメージですよね。
ところが、ガマンせず、運動もしない頑張らないダイエット本として大ヒットした『すぼら瞬食ダイエット』の著者で、ダイエット講師の松田リエさんは「ダイエットで必要なのは食事制限ではなく食事改善。1日3食きちんと食べることから始まります」と言います。
今回は、松田さんがこれまで3500人もの指導をしてきた実績をもとにまとめた最新著書『食べるほど人生が変わるずぼらダイエット』から、ダイエットに振り回される意識を転換することで、誰でも成功できる一生もののダイエットを手に入れる方法をご紹介します。
文/松田リエ
太る原因を知る→栄養バランスの偏り
アミノ酸・ビタミン・ミネラルが揃わないと食べたものは燃焼しない
脂肪を蓄積しないように基礎代謝を上げるためには、食事をきちんととって内臓や筋肉、脳などを働かせることが大事です。
ただし、“食べる”といってもジャンクフードやお菓子のようなものでは意味がありません。代謝活動を活発にする栄養素を食べる必要があります。
その栄養素とは、「アミノ酸」「ビタミン」「ミネラル」の3つです。
アミノ酸……エネルギー燃焼に重要なたんぱく質を作る
アミノ酸は細かい分子で、複数のアミノ酸が集まるとたんぱく質になります。体の筋肉や血管、骨などを作るのにもたんぱく質(=アミノ酸)は不可欠。ちなみにアミノ酸は20種類存在していて、体のなかで作られるものもあります。体のなかで作ることができず、食べ物で補う必要があるアミノ酸9種を「必須アミノ酸」と呼びます。
この9種類はバランスよくとる必要があり、ひとつでも欠けていると合成不足となります。たとえば小麦にもそれなりの量のアミノ酸が含まれますが、必須アミノ酸の「リジン」が足りないため、小麦を食べてもアミノ酸補給としては足りないのです。
代謝を上げる鍵……必須アミノ酸を多く含む食品=たんぱく質食材
●魚、肉、大豆や大豆製品、卵、乳製品など
9種類のアミノ酸をバランスよく含んでいるかを示す指標のことをアミノ酸スコアといいます。動物性の肉・魚・卵・乳製品はスコアが100。大豆もスコア100です。
ビタミン……やせ効果アップのお助け栄養素
ビタミンは微量栄養素とも呼ばれ、ほんの少量でも体内で重要な働きをします。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE……といろいろな種類があります。
ビタミンの働きはよく、車のエンジンオイルにたとえられます。車にガソリン(エネルギー源)を満タンに入れても、点火・燃焼のサポートをするエンジンオイルがなければ車は走りません。
人間の体でエンジンオイルになるのがビタミン。ごはんやパンなどの炭水化物も、魚や肉などのたんぱく質も、燃やしてエネルギーにするにはビタミンの力が不可欠です。
ちなみにビタミンは野菜や果物に多く含まれているイメージをもっている人が多いかと思います。
もちろんそれは間違いではありませんが、実は脂肪や糖質をエネルギーに変換するのに欠かせないビタミンB群は、肉や魚にも豊富に含まれています。私のおすすめはこのビタミンB群。毎日ちょい足しすることでやせ効果がアップします。
ダイエット効果の高いビタミンB群
●ビタミンB6……たんぱく質の代謝に(鶏むね肉、バナナ、トマト、ブロッコリーなど)
●ビタミンB1……糖質の代謝に(魚介類、豚肉、乳製品、豆腐、玄米など)
●ビタミンB2……脂質の代謝に(乳製品、わかめ、卵、さば、さんま、納豆など)
ミネラル……体の機能を正常にしてくれる役割
ミネラルも、体内で合成できないため食事でとる必要のある微量栄養素です。ビタミンと同じく、体内でエネルギー源が使われるときに化学反応を起こして、代謝を促します。ミネラルは自然界に存在する天然のもの。体から作り出すことが難しいので、食事で摂取したいものですが、精製された食品や加工食品はミネラルが失われていることが多く、現代人はとりわけ亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが慢性的に不足しがちです。とはいえ、バランスのいい食事をしていればミネラルが不足するということはありません。
ちなみに天然塩もミネラルが多く含まれています。私は、料理には海水からとれた海の塩を毎日使っています。
知っておきたい「ミネラルの効能」と食品
●マグネシウム……便をやわらかくする。筋肉のコリをほぐす(海藻類、煮干し、豆類)
●カルシウム……不足すると太りやすい(乳製品、大豆製品、小松菜)
●鉄分……不足すると貧血になりやすい(レバー、肉、魚、大豆製品)
●カリウム……不足するとむくみやすい(のり、ひじき、バナナ、いも類)
●亜鉛……新陳代謝を促す。味覚改善(かき、牛赤身肉、たらこ、しらす干し、鶏卵)
栄養バランスで大切なのは、「アミノ酸」「ビタミン」「ミネラル」それぞれがお互いに影響し合って働くということ。ひとつでも欠けているものがあると、代謝がうまくいかなくなってしまいます。
だから、代謝アップのためには「栄養のあるものを偏りや不足なく食べる」ことが欠かせないのです。
松田 リエ(マツダ リエ)/看護師・保健師・ダイエット講師
1986年生まれ。2児の母。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として従事。成人の健康教育、メタボリックシンドロームや糖尿病患者への保健指導を行う。この経験から、食卓を担う女性が栄養や体の知識を身につけないと、日本の食習慣はよりよくならないことに気づく。自身が食生活で自然に12kgやせた経験を生かし、「食べ痩せダイエット講師」として起業。ダイエット相談に来る人の多くが面倒くさがりやであることに着目した、すぐ取り入れられる食事メソッド本『ずぼら瞬食ダイエット』(2022年)がベストセラーに。今秋『食べるほど人生が変わる ずぼらダイエット』を発売。SNS総フォロワー数56万人。Belle Lus株式会社代表取締役。Belle Life Style協会代表理事。Instgram:https://www.instagram.com/bls.academy
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