ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第110回のテーマは、「冷えによるひざや腰の痛みに『五積散(ごしゃくさん)』」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
五積散はどんな方におすすめ?
まずは、五積散がどんな方に向いているのか、具体的にご紹介します。
1.下半身が冷えて痛む方
五積散は、上半身ののぼせと下半身の冷えという「冷えのぼせ」がある方に適した漢方薬です。腰痛、関節痛、神経痛などの慢性症状があり、痛みの度合いは激しくないタイプに向いています。
生命エネルギーである「気(き)」の滞りをよくするとともに、血流を促すことで栄養を巡らせ、不調を緩和します。
2.胃炎や胃弱の方
五積散は、胃炎や胃弱など、胃腸のはたらきが低下している方にもおすすめです。胃の機能を促進する「健胃(けんい)」作用がある生薬が含まれていて、あまり症状の激しくない胃腸炎に向いています。
3.月経不順、更年期症状がみられる方
五積散は、冷えをともなうタイプの婦人科系のトラブルを緩和できる漢方薬です。血流の停滞から起こる冷えを改善するはたらきがあり、月経不順、月経痛、更年期症状などに用いられます。
五積散とは?
五積散がどんな方に向いているのか、具体的にご紹介します。
1.効能・効果
五積散は、貧血を緩和する「当帰(とうき)」「芍薬(しゃくやく)」、体をあたため血行を促す「生姜(しょうきょう)」「麻黄(まおう)」、胃腸機能を補う「蒼朮(そうじゅつ)」「陳皮(ちんぴ)」など、合計16種類の生薬を組み合わせている漢方薬です。
体力が中等度、または虚弱の方に用いられ、血行を促進し、水分循環をよくして、胃腸のはたらきを高めます。腰痛や関節痛、神経痛、生理痛、胃腸炎などに用いられます。
2.基本の飲み方
五積散は、食前(食事の約30分前)、または食間(食事から約2時間後の空腹時)に水やぬるま湯で服用してください。
漢方薬は用法用量を厳守しましょう。飲み忘れた場合でも、2回分以上をまとめて服用することは避け、飲み忘れに気付いた時点で1回分を飲み、次の服用までは1日3回の場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上、服用間隔をあけてください。
五積散に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は自然由来の生薬で構成されていて、西洋薬よりも副作用のリスクが低いといわれています。しかし、絶対に副作用が起こらないというわけではありません。
五積散の服用により、胃部不快感、吐き気、動悸、発疹などの副作用が生じることがあります。また、生薬として甘草(かんぞう)が含まれているので、偽アルドステロン症やミオパチーなどの副作用が起こる場合もあります。
不調を感じた場合は、ただちに使用を中止し、医療機関を受診してください。
漢方薬は、体質との相性を重要視します。ご自身で選ぶよりも、医師や薬剤師などの漢方に精通したプロに相談しましょう。
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冷えをともなう不調に五積散
五積散は冷えによる下半身の痛みや、胃腸の不調、婦人科系のトラブルに用いられる漢方薬です。体力が中等度以下で、あまり症状が激しくない場合に適しています。
さて、次回は「眠い日が続いて困るとき『酸棗仁湯(さんそうにんとう)』」です。ぜひご覧ください!
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