ドラッグストアで、よく目にする漢方薬。「なんとなく体に優しそうなイメージ」「葛根湯(かっこんとう)なら知っているけれど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第104回のテーマは、「柴苓湯(さいれいとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
柴苓湯はどんな方におすすめ?
柴苓湯は、通常、体力中等度の方に用いられる漢方薬です。柴苓湯がどんな症状に向いているのか、具体的にご紹介します。
1.吐き気やみぞおちのつかえを感じる方
柴苓湯は、吐き気やみぞおちのつかえを解消します。のどが渇き、水を飲むと吐き気が出る場合や、夏バテや食あたりによる吐き気などにも適しています。
2.急性胃腸炎による下痢がある方
柴苓湯は、急性胃腸炎による水瀉性(すいしゃせい)下痢などの症状を改善していきます。免疫機能を抑制し、炎症をやわらげる抗炎症作用のはたらきや、抗ウイルス作用、抗菌作用のある生薬も含まれているため、潰瘍性大腸炎などの難治性の疾患に用いられることもあります。
3.手足や顔のむくみが気になる方
柴苓湯は、体のなかの水分の偏りを改善し、むくみの改善にも役立ちます。ただ、便秘傾向の方には便の水分を奪ってしまい、便秘が悪化するため不向きとされます。
柴苓湯とは?
次は、柴苓湯の効能・効果、基本の飲み方をご紹介します。
1.効能・効果
柴苓湯は、「小柴胡湯(しょうさいことう)」と「五苓散(ごれいさん)」を併せた漢方薬です。炎症を鎮める「柴胡(さいこ)」や利尿作用のある「猪苓(ちょれい)」など、計12種類の生薬で構成されています。
滞った水分の循環を正し、余計な水分を除くことで下痢、胃腸炎などを改善します。また、口が渇き、尿量が減る暑気あたりや、腎疾患や肝疾患、アレルギー疾患などに用いられる場合もあります。
2.基本の飲み方
柴苓湯は、基本的に食前(食事の30分前)や、食間(食事から2時間後)に水またはぬるま湯で飲んでください。
飲み忘れた場合は、1回分を服用し、次の服用まで1日2回の場合は6時間以上、1日3回の場合は4時間以上の間隔を空けてください。一度に2回分をまとめて飲むのは副作用のリスクが高くなるため避けましょう。
柴苓湯に副作用はある?
漢方薬は西洋薬と比べて副作用リスクが低いといわれるものの、副作用がまったく起こらないというわけではありません。
皮膚の発疹、かゆみや、頻尿、排尿痛、血尿などの副作用が起こる場合があります。
また、まれではありますが、間質性肺炎、偽アルドステロン症、肝機能障害などの重篤な副作用が起こる可能性があります。
柴苓湯を服用して不調やおかしな点を感じた場合は、服用を中止し、なるべく早く医療機関を受診しましょう。また、1か月以上服用しても症状が良くならない場合も医師または薬剤師に相談してください。
漢方薬にとって、体質は非常に重要なポイントです。体質によって適切な漢方薬が異なり、たとえば同じ急性胃腸炎の悩みでも、柴苓湯が最適な場合と、そうではない場合があります。
漢方薬を安心して服用するには、漢方の知識をしっかり備えている医師や薬剤師に処方してもらいましょう。
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柴苓湯はむくみの解消にも最適
柴苓湯は、吐き気、下痢、急性胃腸炎だけでなく、むくみにも適応がある漢方薬です。体内の水分代謝を正常にし、バランスを整えてくれます。
漢方薬は不調の根本からの改善をめざせます。医師や薬剤師など漢方の専門家に体質・症状に合った漢方薬を処方してもらったうえで、正しく服用しましょう。
さて、次回は「膀胱炎が気になったなら『六君子湯(りっくんしとう)』」です。ぜひご覧ください!
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