ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
第103回のテーマは、「柴朴湯(さいぼくとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
柴朴湯はどんな人におすすめ?
柴朴湯は、以下のような悩みをお持ちの人におすすめです。
1.ぜんそくの症状
柴朴湯は、小柴胡湯(しょうさいことう)と半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を混ぜ合わせた漢方薬で、医療機関ではぜんそくの薬として処方されることがあります。
半夏(はんげ)と厚朴(こうぼく)という生薬には咳を鎮静させる作用があり、小児ぜんそくや気管支ぜんそくの症状に効果的です。
2.こじれた風邪や気管支炎による咳の症状
柴朴湯は、こじれた風邪や気管支炎による咳の症状に悩んでいる人にもおすすめです。
半夏、厚朴による咳の鎮静作用と、柴胡(さいこ)、黄ごん(おうごん)による炎症の緩和作用が、こじれた風邪で長引く咳や痰、気管支炎による咳の症状に働きかけます。
3.不安神経症の症状
柴朴湯は、イライラしやすい、不安感などで眠れない、抑うつ感があるといった不安神経症の症状にも効果的です。
柴朴湯とは?
柴朴湯は、以下のような生薬を含む漢方薬です。
- 柴胡
- 黄ごん
- 半夏
- 厚朴
- 茯苓(ぶくりょう)
- 蘇葉(そよう)
- 人参(にんじん)
- 大棗(たいそう)
- 生姜(しょうきょう)
- 甘草(かんぞう)
1.効能・効果
気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、咳、不安神経症に効能があります。
体力レベルが普通で、体に熱がこもっている暑がりさんや炎症が見られる人に適した漢方薬なので、冷え性の人には向いていません。
2.基本の飲み方
漢方薬は、基本的に食前や空腹時に飲み、顆粒タイプの場合はお湯で溶かしてから飲むのが一般的です。
漢方薬は、もともと生薬を煮出した煎じ汁なので、お湯または温かい水で飲むと効き目が高くなるとされています。ただし、吐き気がある場合は水で飲んでも問題ありません。
注意しなければならないのが、ジュースやコーヒー、紅茶、お茶などで漢方薬を飲むことです。飲み物の成分で化学反応が起き、生薬の成分吸収が阻害されたり、違う物質に変わったりすることがあるため、これらで漢方薬を飲むのは避けましょう。
また、使用期限が切れた漢方薬は使用を避け、廃棄してください。保管状態によって品質や成分が変わることがあるため、副作用が発症したり効果が得られなかったりするリスクが高いです。
柴朴湯に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は副作用の発症リスクが少ないといわれていますが、副作用が絶対に発症しないわけではありません。
柴朴湯による副作用の症状には以下があります。
- 胃の不快感
- 食欲不振
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 膀胱炎のような症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)
- 皮膚症状(発疹、発赤、かゆみ)
また、まれに重篤な副作用を引き起こすケースもあります。
- 間質性肺炎(から咳、息苦しさ、息切れ、発熱など)
- 肝機能障害・黄疸(黄疸、全身倦怠感、食欲不振、吐き気など)
- 偽アルドステロン症(倦怠感、血圧の上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれや脱力感など)
咳や黄疸などの症状が見られる場合は、重篤な副作用を起こしている可能性があります。少しでも異変を感じたら、速やかに使用を中断し、漢方薬を持参して医師に相談してください。
副作用は、体質に合わない漢方薬を使用することで起こりやすくなるため、ご自身の体質とそれに合った漢方薬をプロに見極めてもらうのがおすすめです。
たとえば、スマホひとつで相談できる「あんしん漢方」といったオンライン処方サービスもあります。AIを駆使して漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに合った漢方薬を提案し、自宅まで配送してくれるサービスです。興味がある人は利用してみてはいかがでしょうか。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0179
柴朴湯は咳やぜんそく、不安神経症に効果的
柴朴湯は、こじれた風邪による長引く咳やぜんそく、不安神経症に悩んでいる人に効果的な漢方薬です。
ただし、体力レベルが普通で、体に熱がこもっている暑がりさんや炎症が見られる人に向いているため、冷え性の方は使用できません。
また、胃腸障害や皮膚症状などの軽い副作用がみられることがあったり、まれに重篤な副作用を起こしたりするケースもあります。体調の異変を少しでも感じたら速やかに使用を中断して、医師に相談しましょう。
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0179
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w