病気知らずのシャンソン歌手の健康源は、朝の卵とソーセージやベーコン、野菜など。そのうち卵と野菜は地産地消である。
【森田日記さんの定番・朝めし自慢】
1970年代に、健康的なお色気で人気を博したテレビ番組がある。『プレイガールQ』(現・テレビ東京系)や『独占!女の60分』(現・テレビ朝日系)だ。前者にはレギュラー出演、後者では体当たりのレポーター役を務め、茶の間の人気者となったのが、森田日記(もりた・にっき)さんである。
芸能界入りのきっかけは、『ぎんざナイトナイト』(TBS系)の「とん平のヘイ・ユー!インタビュー」のコーナー。ここでダイナミックに踊る少女。長身でボーイッシュ、エキゾチックな顔立ちの彼女を芸能界が見逃すはずはない。
1973年、16歳で歌手デビュー。以来、“女プレスリー”を目指してレコードを出し、テレビ、映画、舞台出演と芸能生活は順風満帆。その最中の’88年、芸能活動を突如休止する。何があったのか。
「寿退社です。ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』の再々演も決まっていたけれど、惜しまれながら、かっこ良く辞めたかった……」
かくして、29歳で結婚。ふたりの娘も生まれ、家事と育児に専念した。転機は45歳の時。次女が小学校を卒業する時に作詞・作曲、自らが歌った『たびだち』という曲が評判を呼び、2002年7月より歌手活動を再開。今ではシャンソンを中心に、ライブハウスなどでコンサートを開催している。
卵と野菜は地産地消
千葉県市川市に生まれ、今も千葉県在住の日記さんは、
「何といっても農産物に恵まれているのが千葉の魅力。なかでもわが家の朝食は、千葉の恵みで成り立っています」
献立は上の通りで、卵と肉加工品、野菜の3点セットが定番だ。そのうち卵と野菜は千葉県産のものを愛用しているという。
卵は夫婦ふたりで朝食に3個。目玉焼きにすることが多いが、スクランブルエッグやオムレツにも。野菜は、主にサラダとして登場。
「千葉市花見川にある“タンジョウ農場”の旬の野菜が美味しい。ここにはファームキッチンもあり、農場で採れた旬の野菜をいただくこともできます」
今日まで病気知らず。地元で生産されたものを食す地産地消が、その健康を支えている。
私はこれからもずっと一演者、表現者でいたい
日記さんがシャドーボックスに出会ったのは、芸能界を離れていた26年前のこと。
「知人の家の玄関で見たのが、シャドーボックスとの出会いでした」
シャドーボックスとは立体デコパージュ、紙の彫刻とも呼ばれ、同じ絵柄の紙(カード)を切り貼りして重ねることで立体感を出すアート作品のことだ。17 世紀のヨーロッパで流行し、その後、アメリカに渡って進化を重ね、現代のスタイルに発展したという。
作りたいと思ったら、行動は早い。早速、知人が習っていたシャドーボックス教室の門を敲く。主宰の関口美知子さんは35年前に米・サンフランシスコでその技法を修得した、この道の第一人者だ。
「カードに丸みをつけたり、コーティングしたり、さまざまな手法を駆使して立体感を表現するのがシャドーボックスの醍醐味です」
26年のキャリアがある日記さんには、講師にならないかという声も少なくない。けれど、それを固辞。シャンソンにしてもシャドーボックスにしても、一生涯、一演者であり、表現者でありたいと思っているからである。
※この記事は『サライ』本誌2023年5月号より転載しました。年齢・肩書き等は掲載当時のものです。 ( 取材・文/出井邦子 撮影/馬場 隆 )