皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか?「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第54回のテーマは、「ひざに効く漢方薬」です。オンラインAI漢方の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
さらに今回は、自宅でできるストレッチもあわせてご紹介しますので、無理のない範囲でぜひ取り組んでみてくださいね。
ひざが痛む原因は?
ひざが痛む原因のひとつとして、ひざ関節のクッション(軟骨)がすり減ってしまう「変形性膝関節症」が挙げられます。主に老化や肥満によって症状があらわれることが多く、炎症が進むと激しい痛みを伴う場合があります。
すり減った軟骨は元には戻らないものの、漢方で進行を抑え、痛みを和らげることは可能です。
また、ヨガなどのストレッチも日頃から取り入れてみましょう。骨の周りを支える筋肉をほぐし、鍛えることによって、関節への負担も軽減されます。
ひざの痛みを緩和するヨガストレッチ
ひざの痛みを和らげたり予防したりするには、太もも(とくに内もも)を鍛えましょう。「具体的に何をすればいいかわからない」「難しい動きはしたくない」そんな方にはヨガがおすすめです。
ヨガには内ももを鍛えるポーズが多くあり、今回はひざに痛みを感じる方でも気軽にできる「チェアヨガ」から、おすすめのポーズを2つご紹介します。ご自身のひざの状態と相談しながら取り組んでくださいね。
1.長座のアレンジ
(1) 椅子に腰掛けて、両足の裏を地面につける。
(2) つま先を上に向け、片脚をゆっくり持ち上げる。(ひざは伸ばしたまま、上げられるところまででOK)
(3) 5秒キープし、3秒かけてゆっくりおろす。
(4) 左右3セットずつおこなう。
背中や腰は丸まらないよう、背筋を伸ばすのがポイント。難しい人は、手で椅子を持っても大丈夫です。
また、椅子に座る際は、深く腰をかけたほうが安定します。余裕があれば、上げた脚のつま先を少し外側に向け、キープ時間を長くしてみましょう。
2.英雄のポーズ
(1) 浅めに椅子に腰掛ける。
(2) 片方の足先は正面を向けてひざは伸ばす。
(3) もう片方の足は、つま先を90度外側に向けて、ひざを曲げる。(曲げたひざがかかとの真上にくるように調整する)
(4) 余裕があれば両腕を上げる。
(5) 5秒キープする。
(6) 左右足を入れ替えて3セットずつおこなう。
曲げているひざがかかとより前に出てしまうと、つま先に重心が乗ってしまいます。足に負担がかからないよう、重心は中心に置くよう意識します。
また、余裕があれば椅子なしで実践してみましょう。
ひざに効く漢方薬
ここまでヨガストレッチをご紹介してきましたが、
「ひざ痛を根本から改善したい」
「いろいろと試したが症状が改善しない」
そんな方には、医薬品として効果が認められている漢方薬もおすすめです。
ひざの痛みの原因としては、冷えや加齢、血行不良、筋力の低下、肥満などが考えられます。
ひざ痛の改善には、「からだを温めて筋肉をゆるめる」「加齢による体力の衰えを補い痛みを和らげる」「血流をよくして痛みを改善する」「全身に栄養を届け、関節や筋肉の機能を回復する」「水分の循環をよくして水太りやむくみを解消する」といった働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。
ここからは、ひざ痛に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
ひざ痛で悩む方におすすめの漢方薬
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
冒頭でお伝えした「変形性膝関節症」で使用される代表的な漢方薬のひとつです。水分代謝を上げて、肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみに効果があります。
・薏苡仁湯(よくいにんとう)
炎症を伴っており、重だるい痛みなどに使用されることが多い漢方薬です。関節痛や筋肉痛などに効果が期待できます。
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
冷えがあって、温めて和らぐような関節痛や神経痛に使用される漢方薬です。
水分代謝を整え、体を温め痛みを和らげる生薬が膝の痛みに働きかけます。こわばりがある関節リウマチや変形性膝関節症にも用いられることがあります。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師にご相談ください。
最近では、AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」など、自宅で手軽に相談ができるようになりました。漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれ、かつお手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、とても便利ですよ。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0129
漢方とヨガを組み合わせて体の悩みを解決しよう
今回はひざが痛いときにおすすめのヨガストレッチと漢方薬についてご紹介しました。
体の不調は、ときに大きなストレスになります。ヨガも漢方薬も、今はオンラインサービスなどを利用して、家にいながら始められるようになりました。気になる方はぜひ、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0129