写真・文/矢崎海里
秋サバと呼ばれるように、これからの季節は脂が乗っておいしくなるサバ。
味噌煮や塩焼き、寿司などおいしい食べ方がたくさんありますが、青魚は生臭さが気になって苦手、という方もいるのではないでしょうか。
サバの臭み消しは塩や酒を使うことが多いですが、食塩摂取量を気にしている方はなるべく塩の使用を抑えたいところ。
今回は塩を使わずにサバの臭みを和らげるポイントと、おいしく食べるレシピをご紹介します。
サバの七味マヨ焼き
【材料】(1人分)
生サバ 1切れ(150g)
★マヨネーズ 大さじ1
★味噌 小さじ1/2
★七味 適量
【作り方】
1.サバは熱湯をかけた後に氷水にとり、ぬめりや汚れを落とす。
2.★の調味料を混ぜ、水気を拭き取った1に塗る。
3.魚焼きグリルやオーブントースターで10分程度焼き、完成。
焼く前に表面が白くなるまで熱湯にくぐらせ、流水で洗い流すことで切り身のぬめりやアクを取り除き、臭みを和らげます。
骨の間にも汚れや血合いがあるためしっかり洗い流して取り除き、水気を拭き取ってから調理するのがポイントです。
七味の風味や辛味、マヨネーズのコクで少ない塩分でも満足のいく味付けに。
ほかにも柚子胡椒マヨ、ねぎ味噌などもおすすめです。
サバに含まれるDHA・EPA量はトップクラスです。
とくに旬時期のサバは成分の含有量も増えるので、不飽和脂肪酸であるDHA・EPAも多くなります。
中性脂肪の低下作用があって定期的に食事に取り入れることがおすすめですが、食べ過ぎると脂質やエネルギー過多になるため注意が必要です。
DHA・EPAは酸化しやすく水に溶けやすいため、刺身など生で食べるほか、汁物や煮付けなら流れ出た栄養素も一緒に補えます。
DHA・EPAは缶詰でも補うことができます。
食塩相当量:1.1g
サバの塩麹竜田揚げ
【材料】(1人分)
生サバ 1切れ(150g)
★酢 大さじ1
★塩麹 小さじ1
片栗粉 大さじ1と1/2
揚げ油 適量
【作り方】
1.サバは食べやすい大きさに切り、★の調味料を揉み込み冷蔵庫で30分以上漬ける。
2.1の水気を拭き取り、片栗粉をまぶす。
3.170℃の揚げ油で5~6分揚げる。油を切りうつわに盛りつけて完成。
サバは酢に漬けることでも臭みを和らげることができます。
加熱すると酸味が飛ぶので酢の味は気にならず、塩麹と合わせることで旨味がプラス。
骨取りサバを使えば食べやすく、お弁当の置かずにもおすすめです。
ほかにもスパイスや香味野菜などを活用して臭みを和らげる方法があります。
サバの血合いにはミネラル・ビタミンが含まれています。
なかでも鉄、ビタミンB2が多く含まれています。
サバに含まれる鉄は動物性の食品に多く含まれるヘム鉄で、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄より吸収率がよいのが特徴です。
ビタミンB2はたんぱく質、脂質、炭水化物の代謝に関わるビタミンです。
熱に強いので、栄養損失を気にせず加熱調理ができます。
食塩相当量:1.3g
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秋から冬にかけて脂肪の含有量が高くなるサバ。
鮮度が低下しやすいので、買ってきたらすぐに調理してくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。