皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第4回のテーマは、「漢方の考え方(1) 「証」」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、篠原明宏さんに教えてもらいました。

「漢方の考え方」とは

まずは、もっとも大事な「漢方の考え方」から解説していきましょう。基本的にはシンプルなので、何だか難しそうと構える必要はありません。

漢方は、症状だけを見るのではなく、体そのもののバランスを整えるという考え方の元、人それぞれの体質を重視しています。つまり、自分の体質を知ることは漢方の考え方の軸となる重要な部分です。

ちなみに、体質とは遺伝や食事、睡眠、気候、ストレスなどの生活スタイルによって形成された、体の性質のことです。「冷えやすい」「疲れやすい」「イライラする」などは体質が大きく関わっています。

漢方のメリットは、病院に行くほどではないような不調にも対処できる点です。西洋医学では、検査などで異常がなければ「病気ではありません」と診断されます。一方、漢方医学の場合は、まだ病気ではない「不調を感じる」状態でも、からだのバランスを整えるための対処をして体調を上向きにしてくれるので、症状が悪化する前に改善することができます。

体質や状態をあらわす「証」

漢方では体質や状態、症状のあらわれ方を「証」と呼んでいます。証を決めることは西洋医学でいうところの「診断」に当たりますが、西洋医学のように悪い部分を特定して診察するわけではなく、体全体や精神(心)の状態を見極めて判断するため、誰もが同じ治療方法になるわけではありません。

冷え、またはほてりを感じているのか?  原因はストレスによるものなのか?  または、血(けつ)の巡りが悪いからなのか?  体形や栄養状態、消化や発汗などのからだの状態はどうか?  病気の症状の程度はどのくらいか?

漢方では、そういった体の状態を全体として診て、処方を決定します。

1.「証」を知るための3つの“ものさし”

証には3つのものさし、判断の基準があります。以下に、それぞれを解説します。

・陰陽
顔は青白く手足は冷え、脈が弱く、症状があらわれにくい方を「陰証」、逆に発熱や炎症などを示し、脈が浮き、症状があらわれやすい方を「陽証」といいます。

・気血水(きけつすい)
人間の体は「気血水」の3つで成り立っているというのが、漢方の考え方です。「気」は精神や神経および、気力などの体内エネルギー、「血」は血液やその循環、「水」は血液以外の体液(涙や汗などを含む)や水分の代謝を指します。

・五行(ごぎょう)
万物は「木・火・土・金・水」から成り立つという五行思想を元に、これを人間の体に当てはめたものが五臓です。五臓とは、漢方の基礎理論のひとつであり「肝・心・脾・肺・腎」をあらわします。

この3つのものさしを元に、どんな体質か、どんな症状が起きやすいのか、どの場所に起きるのかなど、体の傾向や特徴を見ていきます。そして、その「証」を元に、漢方薬の処方が行われます。

2.体質を知りたいなら専門家に相談しよう

これまで解説したように、漢方の考え方では人それぞれに違った体質があり、それを正しく見ることが重要とされています。漢方薬はいわばオーダーメイドで、西洋医学のように病名で診断し処方するというわけではないのです。

そこで重要になってくるのが、漢方薬の選び方です。自分の体質を正しく判断できずに間違った漢方薬を飲み続けると、症状が改善するどころか逆効果になってしまう場合もあります。漢方の知識のある医師や薬剤師に相談すれば、適切な漢方薬を選んでくれるでしょう。

最近は、自宅で気軽に漢方をとり入れられる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスも登場しています。漢方医学に精通した専門アドバイザーが、個人の症状や体質をしっかり見極め、最適な漢方薬を処方してくれるサービスです。

利用者は1万人を突破し、テレビの報道番組でもとり上げられるなど、今注目されている漢方薬サービスです。不明な点があればすぐにメール相談も行えるので、はじめての漢方薬にも向いています。


●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0079

3.漢方薬は「証」で決まる

漢方において、「証」の決定はとても大切です。今回ご紹介したように、人のからだや体質を測るものさしとして、非常に重要な役割を果たしています。

知っていそうでなかなか知らない漢方薬のこと。次回も「漢方薬の考え方」をより深く掘り下げていきます!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
篠原明宏
薬剤師。東京薬科大学卒業。大学院にて子宮内膜症の研究に携わり修士課程を取得。その後、中国の上海中医薬大学に留学し本場の中医学を肌で学ぶ。帰国後は保険調剤薬局にて管理職、役員を経験。最新医療の知識と伝統的な東洋医学の多方面から患者様の現状にあった健康サポート提案を得意とする。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0079

 

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