写真・文/矢崎海里
カラッと晴れた寒い日は、干し野菜を作るのにぴったりの気候です。
野菜を干すことで、程よく水分が抜けて野菜のうま味が凝縮。
煮物にすれば味が染み込みやすく、おいしく仕上がります。
今回は大根を使った干し野菜の作り方と、干し大根で作る定番おかずのレシピをご紹介します。
家庭で作る干し大根
今回大根は乱切り、細切り2種類作りました。乱切りは表面積を大きくし、乾燥しやすく、細切りは皮の部分も使用して切り干し大根として活用。葉の部分と、煮物に活躍する人参も一緒に干して乾燥させました。
干し野菜は天気のよい乾燥した冬晴れの日に作りましょう。
日中(10~15時頃)、風通しのいい場所に干してください。
今回は干物用ネットを使用しましたが、家庭にあるざるなどに重ならないよう広げます。
細く切った野菜は風で飛ばされないよう注意してください。
野菜を干すことで水分が抜けて、味が濃縮されます。
調理後も水っぽくならず、煮物は味が染み込みやすくなります。
ただし市販のものとは違い、半乾燥状態なので保存性はあまり高くありません。
数日以内に使い切るようにしましょう。
ここからは上記方法で作った干し野菜を使った減塩レシピをご紹介します。
豚肉と大根の中華風煮込み
【材料】(1人分)
豚バラ肉(ブロック) 100g
干し大根(乱切り) 100g
干し人参(乱切り) 50g
★おろし生姜 小さじ1/2
★おろしにんにく 小さじ1/2
★水 150cc
★オイスターソース 大さじ1/2
★砂糖 小さじ1
ごま油 小さじ1/2
干し大根の葉 適量
【作り方】
1.豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、強火で熱した鍋で脂身から全面に焼き目がつくまで焼く。
2.1の余分な油を拭き取り、大根、人参を入れて数分炒める。
3.2に★の材料を入れ加熱する。沸騰したら弱火にして、落し蓋をして15分煮込む。
4.3に干した大根の葉を入れ、中火で5分加熱して煮汁を煮詰める。
5.火を止めごま油を回しかける。器に盛り、完成。
干したことで水分が抜けた大根・人参が、煮汁を吸った絶品煮物です。
豚バラ肉は少々手間ですが、一度焼いてから煮込むことで余分な脂が落ち、旨味も凝縮されます。
最後に煮詰めることで、少ない調味料でもしっかりとした味付けに仕上げます。
ごま油の代わりにラー油を入れて、ピリ辛に仕上げるのもおすすめです。
食塩相当量:1.2g
切り干し大根とみつばのごま和え
【材料】(1人分)
切り干し大根 40g
みつば 1/2束
すりごま 大さじ1/2
干しえび 小さじ1
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
【作り方】
1.みつばは2cm幅に切る。
2.切り干し大根は熱湯で1分ゆで、ざるにあけ冷水で冷ます。
3.水気をよく切った2とみつばをボウルに入れ、めんつゆを入れ和えたら、すりごま、干しえびを加える。
4.器に盛り付け完成。
自家製切り干し大根は、市販の切り干し大根よりハリハリした食感がポイントです。
風味の良いみつば、すりごま、干しえびを加えることで、少ない調味料でおいしく食べられます。
水っぽくなりにくいので、作り置きにもおすすめです。
みつば以外にも、この時期旬のせりや春菊など、香りの強い野菜との相性もいいですよ。
食塩相当量:0.6g
* * *
干し野菜はほかにもきのこ、しょうが、にんにく、れんこんなどが失敗なく手軽に作ることができます。
旬の白菜も外で数時間乾燥させて調理することで、甘みがぐっと増すのでぜひお試しください。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。