とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。

実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?

私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

第56回のテーマは、「湿疹」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。

1.湿疹とかゆみで仕事や家事に集中できない!

悩める主婦

良美さん 48歳女性 主婦の方からご質問を頂きました。

「45歳になったあたりから、からだに湿疹が頻繁に出るようになり困っています。湿疹や蕁麻疹ができるとどうしてもかゆみで掻くことを抑えられず、刺激されて範囲が広がってしまいます。年齢とともに肌がどんどん弱くなっているようにも感じます。

なるべく食品添加物を控え、刺激の少ない衣料洗剤を使うなど工夫していますが、よくなりません。かゆみがつらくて、仕事や家事に集中できないこともあります。子どもには『お母さんの肌気持ち悪い。外に出ないほうがいい! 』と言われて、さらに落ち込んでいます。どう対処したらいいでしょうか? 」

ご質問ありがとうございます。かゆくて我慢できない湿疹の症状は、つらいうえに見た目も気になりますよね。

その湿疹の原因は更年期症状の可能性があります。なぜ湿疹になってしまうのか、その対策法までわかりやすくご紹介します。

2.湿疹の原因は更年期症状!

落ち着く画

一般的に更年期と呼ばれる50歳前後は、皮膚も乾燥しやすくなり湿疹も出やすくなります。更年期になると女性ホルモンのエストロゲンのバランスが乱れ、皮脂腺や汗腺に萎縮が起こります。水分の少ないカラカラの状態の角質が皮膚を覆うようになり、はがれかけた角質で表面がざらつくようになります。

更年期には、皮膚に触れたり擦れたりすることはもちろん、今まで使用して問題のなかった化粧品や衣類などの刺激でも反応し、かゆくなってしまう場合があります。そして、かぶれや湿疹も起きやすくなります。かゆみが起きてさらにかいてしまうという悪循環で、皮膚がさらに荒れていきます。

湿疹のかゆみは不眠の原因になることも多く、生活そのものを脅かします。皮膚を乾燥から守ることが、湿疹を改善することにつながります。

3.更年期の湿疹を改善する3つの方法

更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。

ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。

3-1.長時間の入浴を避ける

入浴(タオル・石鹸)

長すぎる入浴は皮膚の乾燥の原因です。からだの疲れを癒やすのに長風呂を好む人も多いとは思いますが、湯船に長時間浸かると皮脂が失われ、肌から水分を奪ってしまいます。

お風呂に入る場合は、熱すぎない38~40℃程度のお湯を用意します。浸かる時間は15分程度で、それ以上長風呂しないように気をつけましょう。また、からだを洗うタオルの材質はナイロンを避け、綿やシルクを使用します。手に石鹸をつけて洗うのもおすすめです。

乾燥肌の悪化はバリア機能の低下も招くので、長風呂をせず入浴時間を見直し、短時間の入浴にとどめてみてください。

3-2.紫外線対策

紫外線に当たる時間が長くなると、比例して肌荒れのリスクも上昇します。シミやくすみなどの色素沈着だけではありません。紫外線を浴び続けると、角質層が厚くなり、隙間ができて刺激を受けやすくなります。肌の表面のキメも乱れ、バリア機能の低下が起こります。

日傘や帽子はもちろん、衣服も長袖シャツやストールで直射日光からからだを守りましょう。UVカット生地以外にも、織り目の詰まったものであれば紫外線の遮断性が上がります。また、色調は濃いめがおすすめです。

紫外線がいちばん強いのは太陽が高くなる正午です。紫外線からからだを守ることが肌トラブルを避ける近道です。

3-3.漢方で湿疹やかゆみ体質の改善をめざす

漢方

「体質から繰り返すかゆみを改善したい」

「西洋薬を使わず湿疹を治したい」

そんな方には、自然由来の医薬品として医療現場でも効果が認められている漢方薬がおすすめです。

西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれる漢方薬ですが、湿疹やかゆみなどの体質改善に役立ちます。かゆみを止めるだけの対処療法ではなく、根本改善をめざしているため、湿疹の元を絶ちたいと考えている方にはおすすめです。

食事制限や運動など、普段の生活を大幅に変えなければならない……とお悩みのあなたも、漢方薬なら面倒なことは必要なく、気軽に続けられるのが大きな利点です。

<湿疹に悩む女性におすすめの漢方薬>

黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体力がある方向けの漢方薬で、肌のかゆみ、のぼせやイライラの改善にも役立ちます。

温清飲(うんせいいん):体力が中等度の方向けの漢方薬で、皮膚炎や更年期症状の他、神経症や月経不順などにも使われます。

当帰飲子(とうきいんし):体力が中程度の方に用いられます。うるおいを与えて湿疹や皮膚炎、かゆみを改善します。

漢方薬でいちばん重要なのは、体質に合った漢方薬を用いることです。漢方のプロに任せれば、すぐに解決できます。まずは医師や薬剤師にご相談ください。

「あまりお金をかけたくない」という方の根本改善におすすめなのが医薬品の漢方薬です。また、スマホで相談可能な「あんしん漢方」という便利なサービスも登場しています。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方に精通したプロがあなたの体質に合った漢方を選んでくれます。お手頃価格で郵送してくれるため便利です。

4.湿疹を改善して女性としての自信をとり戻そう!

更年期が原因の湿疹は、更年期症状対策を行うことで改善をめざせます。肌はとてもデリケートですが、今回ご紹介したセルフケアや専門家に相談して漢方薬を駆使するなど、こまめに対策しましょう。その際は、元の体質から変えていくことが大事です。湿疹やかゆみのない、健やかな毎日をとり戻しましょう!

<この記事を書いた人>


医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。

記事内に登場した「あんしん漢方」とは?
「お手頃価格で不調を改善したい」「副作用が心配」というお悩みをお持ちの方のために、医薬品の漢方を、スマホひとつでご自宅にお届けするサービスです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが最適な漢方を選別。オンラインでいつでも「個別相談」可能。しかも「お手頃価格で」ご提供。相談は無料。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

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