文 /坂田武士

「酵素」は食物から摂るのか、体内で作られるのか。多くの人が誤解している「酵素」について薬を勧めない薬剤師が、真実を語ります。正しい知識が真の健康を導き、今日からあなたの身体が変わります。

理想のダイエットを成功させるために、よく理解し活用したいものは「酵素」です。

「生命あるところに必ず酵素あり」といわれるように、酵素は人間が生命を維持していく上で、水や酸素と同じように必要不可欠な物質です。人間はバランスよく食べ物を摂ったからといって、それだけでは生きていくことはできません。人間が食事によって取り込んだ栄養成分の消化・吸収・分解・代謝・排泄といった生命活動に不可欠な触媒として機能するのが酵素です。例えば、お餅と一緒に食べる大根おろしはアミラーゼという消化酵素が含まれていて、デンプンやグリコーゲンなどの消化をサポートします。酵素には、果物、野菜、発酵食品などの食物から取り入れる「食物酵素」、生体内で作り出されるタンパク質の一種である「消化酵素」「代謝酵素」などがあります。つまり、食物酵素や酵素ドリンクなどを一生懸命摂取しても、体内の消化酵素や代謝酵素に変わるわけではないということを理解しておく必要があります。

「食物酵素」とは、ローフードや酵素食と呼ばれる、野菜や果物、発酵食品です。食物酵素は熱に弱く、48度以上に加熱するとその働きが半減するものが多いので、生で食べることが必要です。今、酵素ドリンクなどが人気ですが、加熱処理(65度以上で10分程度加熱殺菌)をされていて酵素が入っていないことはあまり知られていません。食物酵素のメリットは、消化器で分泌される消化酵素と協力して、食べ物それ自体を必要な段階まで分解し、不完全な未消化物を作らせず、消化吸収機能の働きを助けます。特に、味噌、醤油、酢、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品は、微生物のもつ「発酵」という作用を利用し、腸内環境を整え、ビタミンB群などを産出し代謝もサポートしてくれます。
効果的な味噌汁の作り方は、火を止めてから60度程度で味噌を溶かすと麹菌の活性を残しているので良いでしょう。現代人は、暴飲暴食を頻繁にして、消化に時間がかかるお肉や揚げ物、加工食品の過剰摂取、夜寝る前に食事やアルコール摂取をする習慣などを続けている方が多く、消化するのに大量の酵素を使っています。一方でローフードを意識しすぎて冷たいスムージーや冷たい生の食事ばかり摂取していると、身体も冷えてしまうので冷え性の方や寒い冬の時期には、温かい野菜スープや、60度以下になった後に味噌を入れる、酵素が生きている味噌汁などがお勧めです。

生体内で作り出されるたんぱく質の一種である「消化酵素」「代謝酵素」は、人の身体には約5000種類あると言われています。ほとんどの酵素の主要な構成要素はたんぱく質です。良質な魚や大豆たんぱくの摂取を意識することが体内の酵素活性を高めるポイントになります。

コエンザイムQ10も補酵素の1種

まず「消化酵素」とは、大きく分けるとでんぷんをブドウ糖に分解するアミラーゼ、たんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解するリパーゼです。次に「代謝酵素」とは、消化酵素によって消化された栄養素が体内でエネルギーとなったものを身体の中で働かせる役割をします。免疫、自然治癒力の維持、ホルモンバランスの調整、運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排出、ウイルスと戦う、肌の新陳代謝など、人間の生命活動の中で働いています。実は、ほとんどの酵素は単体では働くことが出来ず、酵素をサポートする成分が必要です。そのサポート成分が「補酵素」になります。「補酵素」とは字が表すとおり、「酵素を補う」役割をもつ重要な成分です。英語だとCoenzyme(コエンザイム:Co=補う+enzyme=酵素)と書きます。コエンザイムQ10というと聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、こちらも補酵素の1種類となります。たんぱく質でできた酵素単体のものをアポ酵素(apoenzyme)といいますが、これだけでは消化や代謝といった化学反応を起こすことは出来ません。また「補酵素」だけでも、生命活動に必要な化学反応を起こすことは出来ません。しかし、アポ酵素と「補酵素」がタッグを組むとホロ酵素(holoenzyme)と呼ばれるものになり、これでやっと消化や代謝といった化学反応を起こすことが可能となります。「補酵素」は、ビタミンやミネラルが中心となりますが、特にビタミンB群は、体内で代謝に関与する補酵素の構成材料として重要な生理機能を持っています。

夕食は午後8時までに済ませる

まずは生理リズムに合わせて、酵素を活用した食生活をおくってみましょう。午前中は「排泄の時間」と言われているため、朝は良質な常温の水分摂取から始まり、新鮮な野菜や果物、発酵食品を上手に取り入れます。正午から午後8時までは「栄養補給と消化の時間」、午後8時から午前4時までは「吸収と代謝の時間」と考えられているため、夕食は午後8時までに済ませ、それ以降は消化酵素を休ませ、代謝酵素を活性化させるため出来るだけタンパク質を摂取し、ビタミンB群を中心としたビタミン、ミネラルを摂取する食習慣を身につけましょう。


坂田武士 一般社団法人日本予防医学マイスター協会代表理事。株式会社サムライフ代表取締役。薬剤師、予防医学マイスター(R)、予防医学士(R)、オプティマムファスティング(R)コーディター、スポーツファーマシスト。
昭和大学薬学部を卒業後、薬剤師免許を取得。医療、介護の現場に10年携わる中で予防医学の重要性を感じ、2006年に独立。薬を勧めない薬剤師として個人・法人のお客様に対して独自のオーダーメイドカウンセリングを提供。現状把握から、病気や不定愁訴の原因を追求し、効果的な対策と具体的な実践の提案、継続したフォローにより、病気や寝たきりにならない生き方を推奨している。筋肉を維持して脂肪だけを落とす「オプティマムファスティング」は、健康・美容業界のプロの間でクチコミで広がり、便秘外来や整形外科のクリニックやエステサロン、プロスポーツ選手などにも取り入れられている。予防医学は価値ある生き方の啓蒙、日本の老衰死を死因の第一位にするためにセミナー講師としても全国で講演活動中。

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