文 /坂田武士

サプリメントの間違った認識と知識が命取りになる!? 摂取している人も摂取していない人も必見。
薬を勧めない薬剤師が、サプリメントのイメージを払拭し、自分にあった高品質で安全性の高い栄養補助食品の選び方を大公開します。

足し算・引き算のバランス健康法

私たちの身体は、食べたもので作られています。
健やかさのほか、若さや美しさのベースも食べ物ですので、栄養補助食品を選ぶ前に、まずは食事の内容を見直すことが先決です。

自分が毎日何を口に入れているのか、1か月分の食事、飲み物、間食の記録を書いてみましょう。
食事は毎回「体質改善のチャンス」ととらえます。1日3回の食事は、1か月で90回、1年間で約1000回、若く美しく健康になるチャンスがあるという事です。

いきなり理想の食生活を求めるのではなく、「足し算・引き算のバランス健康法」をお勧めしています。

まずは、食生活の中で、不調の原因となっていることを1つだけ減らし、体に必要なことを1つだけ増やします。

例えば、
揚げ物をやめ、魚が主菜のおかずを選ぶ。
ランチをパンだけにすることをやめ、おにぎりとサラダを選ぶ。
スナック菓子をやめ、無塩のナッツをおやつにする。
お酒を2杯までに減らし、おつまみは野菜や海藻から食べる。
などです。
一つずつ無理なくできるようになったら項目を追加していきます。無理なく習慣化することが継続できるポイントです。特にはじめに気にして欲しいポイントは3つです。

1つ目のポイントは、自炊率です。1か月90回のうち、自分で調理したのは何回くらいですか。

2つ目のポイントは、食材の選び方です。質の高い野菜、肉、魚、穀物、調味料をどれくらい選んでいるでしょうか。

3つ目のポイントは、献立です。どれくらいバランスのとれた献立になっていますか。

以上の点を踏まえて、客観的に自分の現状を把握してみましょう。

私たちは「不健康栄養補助食品」を多量に摂取している

とはいえ、現代人は忙しいため、毎回食事内容にこだわっていられないという人も多いかと思います。また、昔と比べて野菜などの栄養価も著しく落ちているので、栄養補助食品を活用することも、身体のためには重要なファクターになってきます。

しかし、その前に意識していただきたいのは私たちは日々、「不健康栄養補助食品」を多量に摂取している、という事実です。
「不健康栄養補助食品」とは、質の悪い糖質や脂質で調製・加工・製造された食品のことです。

ほぼ100%の日本人が摂取しているお菓子や甘い飲料、ファストフード、コンビニエンスストアで購入できるものがこれにあたります。この「不健康栄養補助食品」を減らすだけでも、体調は違ってきますし、無駄な出費も減って、お財布も健康になるというわけです。その上で、食事では摂取しきれない、自分に必要な栄養素を補助食品で摂取すれば良いでしょう。

サプリメント摂取の優先順位は、人が生きていくために必要な栄養素から考えることです。必須ビタミン、必須ミネラル、必須脂肪酸、必須アミノ酸です。同時に、腸内環境を整えるプロバイオティクスやプレバイオティクス、バイオジェニックスのサプリメントなども有効です。

サプリメントを選ぶ時は、「効果」と「安全性」と「経済性」を考えます。「効果」とは、原材料と含有量です。

販売メーカーの1日の推奨量で、各栄養素が何mg摂取できるのか。野菜や肉や魚に換算するとどれくらいなのか。食事+栄養補助食品の合計が1日の摂取基準を越えない場合は、ただの気休めになってしまいます。
効果を実感できる必要量を摂取することが重要です。

「安全性」とは、可能な限り原料が安全な天然素材からの抽出物であること。
人工的な材料や、本来摂取したくない添加物が大量に含まれているものは避けましょう。

「経済性」とは、食事や栄養補助食品のコストは一生涯にわたってかかるため、短期ではなく長期的に自分に健康投資できる金額を設定することです。
目安として、1か月の収入の5~10%を健康・予防費(※)に充てると良いでしょう。

健康情報やサービスは、日々、多様化しています。選択肢が増えるのは良いことですが、その質にも雲泥の差があるので、自分の健康法を何となく選んではいけません。時間やお金の自己投資は間違えると取り返しがつかないので、専門家のアドバイスも聞きながら、自分の目でしっかりと見極めることが大切です。

※健康・予防費:食事や栄養補助食品、運動やストレス対策など、健康増進のために使用する費用


坂田武士 一般社団法人日本予防医学マイスター協会代表理事。株式会社サムライフ代表取締役。薬剤師、予防医学マイスター(R)、予防医学士(R)、オプティマムファスティング(R)コーディター、スポーツファーマシスト。
昭和大学薬学部を卒業後、薬剤師免許を取得。医療、介護の現場に10年携わる中で予防医学の重要性を感じ、2006年に独立。薬を勧めない薬剤師として個人・法人のお客様に対して独自のオーダーメイドカウンセリングを提供。現状把握から、病気や不定愁訴の原因を追求し、効果的な対策と具体的な実践の提案、継続したフォローにより、病気や寝たきりにならない生き方を推奨している。筋肉を維持して脂肪だけを落とす「オプティマムファスティング」は、健康・美容業界のプロの間でクチコミで広がり、便秘外来や整形外科のクリニックやエステサロン、プロスポーツ選手などにも取り入れられている。予防医学は価値ある生き方の啓蒙、日本の老衰死を死因の第一位にするためにセミナー講師としても全国で講演活動中。

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