新型コロナウイルス感染症など、さまざまな病気に負けないための「免疫力」は、日々の食事や生活習慣の改善によって、大幅に高めることができるそうです。しかし、巷に溢れる健康や免疫力に関する知識は刻一刻とアップデートされ、間違った情報や古びてしまったものも少なくありません。コロナ禍の今、本当に現代人が知っておくべき知識とは何でしょうか。著書『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』が話題の満尾正医師が解説します。

マグロ好きの日本人は水銀に注意!

私のクリニックでは、ヒ素、鉛、水銀、カドミウム、アルミニウム、ニッケルなど17種類の金属の体内蓄積について、毛髪分析を行って調べています。

産業革命以降、地球上で石炭や石油という化石燃料がたくさん使われています。化石燃料が燃やされる際に、有害金属は大気中に放出され、やがて雨とともに地上や海に降り注ぎ、環境を汚染してゆきます。

たとえば、マグロ。マグロ自体は栄養面で優れた食べ物ですが、たくさん食べると水銀が蓄積されます。

マグロのような大きな回遊魚は、海における食物連鎖の頂点におり、エサとなる小さな魚が持っていた水銀を、どんどん溜め込んでいるからです。

実際に毛髪の分析検査を行うと、マグロをよく食べる日本人は、諸外国人と比較して水銀がかなり多く出ます。アメリカでの毛髪中水銀濃度は0.88ppm未満ですが、日本人男性の毛髪中水銀濃度の平均値は、5ppmにもなります。

それでも、そのくらいで収まっていればいいほう。10.0以上ある人もいて、こうなると心配です。とくに、子どもを産む母親に水銀が多いと、第一子にそれが出てしまいます。

つまり、子どもを産むことで母親の水銀は減りますが、それが第一子にそのまま移動してしまうのです。

自閉症と水銀の関係についても言われるようになりました。水銀に限らず、有害金属の蓄積は、自分自身にも、その子どもにも悪い影響しか与えません。できる限り、有害金属を取り込まない生活を送ることを考えましょう。

認知症やアレルギーのリスクも増加

有害金属の蓄積が認知症の原因の1つであることは、ほぼ明らかです。

実は、欧米では認知症の発症率がわずかではあるけれども減少しているという報告があります。高齢化は進んでいるのに、認知症発症率が下がるのは不思議ですね。

その理由を説明する仮説として、「鉛の生涯被曝量が減少したからではないか」というものがあります。

欧米では1920〜70年にかけて有鉛ガソリンが濫用され、大気中の鉛汚染が進行しました。その当時に成長期・青年期を迎えていた人たちは、かなりの量の鉛に被曝しています。一方で、対策が進んでからは被曝量が減り、それによって認知症発症率が微減しているのではないかと考えられるのです。

アルミニウムは、日常生活のさまざまなところで活用されている重要な金属です。しかし一方でアルミニウムには、ミトコンドリアの機能障害を起こし、認知症の原因となる可能性も報告されています。

フランスで行われた研究では、水道水のアルミニウム濃度が1日あたり0.1ミリグラムを超える地域では、認知機能の低下が生じるとされており、アルミニウムがどのように認知機能に影響を与えるかについても、そのメカニズムが解明されつつあります。

ニッケルも注意が必要な金属の1つです。ニッケルは、食品中のタンパク質とくっつくことでさまざまなアレルギーの原因となります。

実際に、私のクリニックを訪れる患者さんで、重症のアレルギーを持っている人は、かなりの確率で毛髪から高濃度のニッケルが検出されます。

たとえば、大豆アレルギーについて考えてみましょう。

普通は、大豆を食べると消化酵素の働きでアミノ酸がバラバラになって、なんの問題も起きません。

ところが、大豆のタンパク質にニッケルがくっついてくると、酵素が働いてもニッケルが邪魔してバラバラになりません。それでアレルギー症状を起こすのです。

本来、大豆は栄養的にとても優れた食品で、健康のために積極的に摂りたいくらいですが、体内に蓄積されたニッケルのせいで、結果的に体に害を及ぼす物質になってしまうわけです。

これが、そばアレルギーのようにすぐに症状が出る「即時型」なら原因物質がつかみやすいのですが、ニッケルのような遅延型の場合、数週間単位でジワジワと出てきます。

「なんだか関節が痛い」と感じて病院に行き、湿布薬を貼っても、リウマチの診察を受けて薬を飲んでも好転しないというようなケースで、実は遅延型アレルギーが起きていたということはままあります。

卵、肉、牛乳などはタンパク質の塊ですから、アレルギーが多いのも当然です。

小麦粉の場合、そこに含まれる「グルテン」というタンパク質によって、アレルギーが引き起こされます。

ただし、本来これらの食べ物が悪いのではなく、そこにくっついてしまうなにか(たとえばニッケル)があるのが問題。そういう余計なものを体に入れていることが、現代人にアレルギーが増えている理由の1つです。

花粉症も、「花粉」自体に罪はありません。花粉は昔から存在しています。

そこに、空気中に浮遊しているPM2・5(微小粒子状物質)などの不自然なものがくっつくことで悪者に変わってしまうのです。

ちなみに、ニッケルは化粧品に多く含まれます。

満尾正(みつお・ただし)/米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ「究極の健康資産」の作り方』(小学館)など。

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