とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなったり、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの?など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい!どうすれば根本解消できるの?
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に全10回のシリーズで解説してもらいます。
第4回のテーマは、「めまい」です。
あんしん漢方(オンラインAI漢方)の監修医でもある、漢方医の木村好珠先生に教えてもらいました。
1.めまいで卵を割りそうになり、スーパーすら出かけるのが恐怖に
ユキコさん(42歳)
3歳の娘さんの育児中の専業主婦の方からご質問を頂きました。
「最近めまいが起きるようになりました。この間はスーパーで特売の卵をカゴに入れようと手にした瞬間に、急にふわっとするめまいに襲われました。すぐに卵を持つ手に力を入れてその場にしゃがみ込んだので、何とか手に持っていた卵も、売り場に並んでいた卵も割らずに済んだのですが、ちょっと体のバランスを崩したら倒れていたかもしれません。それ以来、『まためまいが起きたらどうしよう』と考えてしまい、外出するのが不安になっています。そのとき、娘は幼稚園に行っているときだったので良かったのですが、娘と2人で外出しているときに急に私が意識を失って娘に何かあったらと考えると心配で…でも送り迎えや買い物には行かないといけないですし、とにかくこのめまいを改善する方法を教えて欲しいです。」
ご質問ありがとうございます。めまいが起きないかと心配で、外出できなくなるのは辛いですよね。
このような、ふわふわするめまいは、更年期に生じる代表的な症状のひとつです。一般的に、閉経前後にめまいなどの不調が起きることを更年期障害と呼びます。最近では、まだ閉経ではない年代でも、更年期障害と同じような症状に悩まされる「プレ更年期」の不調も増えています。
2.めまいの原因は加齢、ストレス、水毒
更年期には、女性ホルモンのバランスが崩れ、その結果自律神経の働きが乱れやすくなります。そのため、めまいが起きてしまうのです。また、加齢に伴う変化、ストレスなどもめまいの原因と考えられています。
また、東洋医学ではめまいは“水毒”が原因だとされています。水毒とは、余計な水が溜まっている状態のことです。めまいの他に、耳鳴りや、むくみ、雨の日の頭痛や肩こりなどの症状も見受けられます。
3.漢方医おすすめ!根本的にめまいを改善する方法
病院でできる更年期障害の治療法として、ホルモン補充療法があり、婦人科や内科で受けることができます。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。
暑い日でも冷たい飲み物はNG
“水毒”でめまいを生じている場合は、体の水はけが良くなる食事をとることが必要です。まず、暑い日だからといって冷たい水を一気飲みするのはやめましょう。夏とはいえ、冷房が効いていると体が冷えていることも多く、そこにさらに冷たい飲み物を飲むと、余計に水が溜まりがちです。また、アルコールや刺激の強い辛い食べ物、脂っこいものも避けましょう。積極的に摂取したい食べ物は、玄米、かぼちゃやジャガイモといった根菜類、そば、ナス、アスパラガスなどです。
めまいに大切なのは「休む」こと
めまいは、メニエール病や良性発作性頭位めまい症、心因性や更年期症状の一つなど、原因が多岐に渡ります。しかし共通することは、“休息が大事な治療”であることです。なんとなくふらつく、というような場合はしっかり休養することが大事です。
手軽に押せるツボは、耳の前のくぼみにある“聴宮”というツボです。口を開けた時に深く窪むので、とてもわかりやすいところにあります。めまいだけでなく、耳鳴りや頭痛にも効果的なので、ぜひ試してみてください。
下半身の筋トレもおすすめ
暑い日々が続きますが、冷房の効いた部屋にずっといると、水の体内循環がどんどん悪くなります。移動するときはなるべく歩くようにしたり、部屋をキンキンに冷やしすぎない、ストレッチをするなど、少しでも動くことを心がけましょう。また、筋肉が衰えることでも、水毒は起こりやすくなるので、下半身を中心に筋トレに励むのもいいことです。
めまいに悩む方へおすすめの漢方薬タイプ別3選
更年期やプレ更年期の不調には漢方薬もよく使われています。漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされており、対症療法ではなく、体質自体の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すものです。毎日を笑顔で過ごすために、漢方で心と体のバランスを整えていきましょう!
<めまいにおすすめの漢方薬>
・五苓散(ごれいさん)水毒に対する、最も代表的な漢方です。気候による影響が大きい人には、最初に試していただきたい漢方です。茯苓、朮やタクシャなどの水はけを良くする生薬が入っています。めまいの他に、むくみや、二日酔いにもききます。 ・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)立ちくらみのようなめまいがある人にオススメです。気を巡らせる作用があるので、些細なことが気がかりになり、多少神経が高ぶっているような方に向いています。 ・真武湯(しんぶとう)元々体力がなく、慢性的なめまいの症状があり、特に雲の上を歩いているような浮遊感といっためまいにオススメです。水毒にプラスして、生姜で体を温め附子が痛み止めの作用があるので、手足が冷えて痛むような方にも適しています。 |
健康的な食事やセルフケアを毎日続けるのは苦手という場合も、医薬品として効果が認められた漢方なら、症状に合ったものを毎日飲むだけで効果を実感できるので、手間なく気軽に継続できます。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないことや、副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
自分に合った漢方薬が知りたいけど、近くに漢方専門薬局がない…という方には、オンラインで漢方相談ができるサービス「あんしん漢方」がおすすめですよ。
4.更年期やプレ更年期のめまい改善には漢方もおすすめ
めまいは突然訪れるので怖いですよね。メニエール病などが原因の可能性もあるので、まずは病院に行って医師に診てもらいましょう。更年期やプレ更年期の体質改善には漢方もおすすめですので、安心して娘さんと出かけられるように、ご自身に合う方法を試してみてくださいね。
<教えてくれたのは…>
漢方医/精神科医 木村好珠
渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事。
医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶應大学病院での勤務を経て、西洋薬の即効性等と漢方薬の根本的な治療をバランスよく使い分ける事を信条とする。
渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患、心理学、生活習慣病など様々なテーマを精神科医・漢方医の立場で解説も行う。
オンライン漢方サービス「あんしん漢方」監修者の1人。
・木村好珠公式HP https://www.kimurakonomi.com
・Twitter:https://twitter.com/konomikimura
・instagram:https://www.instagram.com/konomikimura/
記事内に登場した「あんしん漢方」とは?
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