たくさんの店を知るよりも、季節ごとに通う、馴染みの店を数軒だけ。旬の味を自分のペースで楽しんで、居心地のいい一隅で安らぐ。そんな、京の“ええ店”はいかがですか?

特上 鹿ロースト
栄養豊富なS級の鹿をローストにした秋のご馳走。1400円。濃厚な赤ワインを合わせるのがお薦め。

「ジビエは苦手という方やジビエ初心者の方にこそ、この店で本来のジビエの味を知ってほしい」と話すのは、店主の神田風太さん。生まれ育った美山の熊や鹿などのジビエと、野菜や山菜を使ったレストランを祇園町北側で営む。ただしこの祇園の店は、独創的なジビエ料理とサブメニュー食べ放題という形式で人気を博し、予約が取りづらい日も多い。そこで、いつでも気軽にジビエを楽しめる立ち呑み店を開いた。

気軽とはいえ、料理は本店で仕込むから、材料や味はそのまま。ひとりでも食べきれる量を小皿に盛って供する。多くの客が注文する「熊パテ」には、卵黄とチーズが添えられ、タルタルステーキのように崩して食べるのがお薦めだ。的確な処理を施し調理されているから、嫌な野性味は一切ない。

熊パテ
熊肉にクミン、オレガノ、玉ねぎなどを加えたパテ。刻んだエシャロットやチャービルを添える。
1400円。

2軒目以降に訪れる人も多く、行列ができる老舗中華そば店『新福菜館(しんぷくさいかん)』のかえしを雉(きじ)のスープに合わせた「ミヤマの夜泣きラーメン」は、〆の定番になっている。深いのに濃厚過ぎないスープと猪の叉焼(チヤーシユー)が細めの麺によく合う。

ミヤマの夜泣きラーメン
黒いスープで知られる『新福菜館』のかえしが味の要(かなめ)。700円。

店は高瀬川沿いで秋には樹々が色づく。古都の自然の奥深さを、五感で感じられる酒場である。

お料理MIYAMA

美山の食に精通する神田風太さん。本店『Gibier(ジビエ)MIYAMA』も経営。

京都市下京区西木屋町松原上る市之町3-260-2
電話:075・352・5501
営業時間:15時~22時30分(最終注文)
定休日:不定
交通:阪急京都線京都河原町駅下車、徒歩約7分
https://www.instagram.com/oryouri_miyama/

サライ11月号大特集は『京都「美の神髄」』

 

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