そうめんは、産地により製造方法や太さ、食感、味わいなどが異なる。日本を代表する産地の歴史や特色を紹介する。
九州産小麦100%、コシが強く煮崩れしにくい
島原手延そうめん(長崎)|隠れ岩松 島原手延そうめん
50g×5束 464円


島原そうめんは国内第2位の生産高を誇る。名水百選の地として知られる島原は、そうめんづくりに適した穏やかな気候風土に恵まれ、古くから製麺が盛んな地域だ。島原伝承の手延べ技法で、良質な小麦と五島灘の海水から採れる平釜塩を使った本品は、コシの強さとすっきりした風味が特徴。長さ19cm、太さ0.9〜1.1mm。
みそ半 電話:0957・82・1111
麵の太さと歯ごたえの妙。阿波の自然が育む伝統の味
半田そうめん(徳島県)|手延半田めん
100g×3束 475円


300余年の歴史がある半田そうめん。吉野川の船頭が運搬の少ない冬場に自給用につくったのが始まりとされ、モチモチした食感の太い麺とつるりとした喉越しが特徴。昔ながらの手延べの製法を継承する小野製麺の「手延半田めん」は、料理研究家の故・土井勝さんの大のお気に入りだったことでも知られる。長さ19cm、太さ1.4〜1.6mm。
小野製麺 電話:0120・88・6240
そうめん発祥の地のなめらかな極細麵
三輪そうめん(奈良県)|緒環の糸
50g×5束 680円


そうめん発祥の地といわれる三輪(奈良県桜井市)では、万葉の昔から神事でそうめんが奉納され、宮中の宴の席でそうめんが供せられていた。「緒環(おだまき)」とは三輪そうめんの太さ=等級を示すもので、10gあたり95~105本に分けられた極細麺は口当たりが非常になめらか。毎年5月には各宮家に「三輪の緒環」が献上される。
奈良県三輪素麺工業協同組合 電話:0744・42・6068
選ばれし熟練職人がつくる「揖保乃糸」の名品
播州手延そうめん( 兵庫県)|揖保乃糸 手延そうめん 特級品
50g×6束 867円


兵庫県播州地方は国内生産高第1位の手延べそうめん産地。「揖保乃糸」は小麦粉の質や原材料、麺の太さなどの違いによって、いくつもの等級に分かれており、特級品は組合が選抜指定した熟練製造者が製造する名品。一般的に流通している同ブランド上級品よりやや細い0.65~0.70mmで喉越しがよく、贈答用に選ばれることが多い。
兵庫県手延素麺協同組合 電話:0120・39・0826(お客様相談室)
全工程手作業で仕上げた味わい深い稀少麵
南関そうめん( 熊本県)|曲素麺
45g×5束 1800円


熊本県南関地域で300年以上前からつくられている南関そうめんは、今も機械を一切使わず、全工程が手作業で行なわれているため、大量生産ができない稀少な麺。「曲素麺(まげそうめん)」は長さ2~3mの麺を木枠を使って丁髷(ちょんまげ)のように束ねて仕上げる。太さは0.8~1.2mmとやや細めだが、しっかりとした歯ごたえがあり、味わい深い。
雪の糸素麺 猿渡製麺所 電話:0968・53・2106
取材・文/大津恭子 撮影/泉 健太、稲岡聡平、田中麻以
