うどんが名物というと香川県を思い出す人も多いでしょうが、京都にもうどんの名店が多いことをご存じですか? 時間をかけてひく出汁と、ふんわりしたうどんに、双方を引き立てるさまざまな具材。すべての調和が取れた、まさに“三位一体”の伝統料理が「京のおうどん」なのです。
そこで今回は、サライ.jpで紹介された【京のおうどん 食べ歩き】に取り上げられたうどん店をまとめました。まだまだ寒さが続く季節、あったかいおうどんでほっこりしてみませんか。
電話番号やURL、価格などのデータは変更になっている場合がありますので、ご確認のうえおでかけください。
1:ふわふわの卵と濃厚な餡の「けいらんうどん」|権兵衛
昭和2年創業の麺処『権兵衛』は、祇園という場所柄、歌舞伎役者や花街の芸舞妓も通う老舗。近くの「南座」で歌舞伎公演がある日は、幕が下りた後、観客はもちろん関係者も訪れ賑わいます。
地鶏の卵をたっぷりと使い、ふわふわトロトロに仕上げた「けいらんうどん」が名物で、熱々の餡に生姜を溶かし込んで味わうと、身体も温まります。
ふわふわの卵と濃厚な餡に生姜の風味が混ざり合う|権兵衛(けいらんうどん)【京のおうどん 食べ歩き】2
2:早朝から営業する製麵所直営の「きつねうどん」|京聖護院 早起亭うどん
大正13年創業の『京聖護院 早起亭うどん』があるのは、京都でもひと際風情ある街並みで知られる岡崎。創業時は製麺所でしたが、その後タクシー運転手や早朝まで働く人を相手に直営のうどん店を開業しました。
「きつねうどん」は、大きな甘ぎつねが3枚も入った食べ応えある一杯。しっかり味のついたきつねから染み出す甘みが、うどんに絡んで美味。
早朝から営業する製麵所直営店|京聖護院 早起亭うどん(きつねうどん)【京のおうどん 食べ歩き】3
3:出汁も麵も無添加を徹底した「たぬきうどん」|六条新町 招福亭
関東でたぬきといえば、天かす(揚げ玉)入り。一方、大阪ではきつねそばを指しますが、京都では刻み揚げの餡かけのことをたぬきと呼びます。
『六条新町 招福亭』では、小麦粉や野菜は減農薬栽培、薄揚げは昔ながらの製法を守る豆腐店から仕入れるなど、吟味された材料のみを使用。刻み揚げと九条ねぎを少しの間煮込み、水溶き片栗を流し込むことで、出汁がよく絡みます。
昭和の雰囲気が漂う大衆店|六条新町 招福亭(たぬきうどん)【京のおうどん 食べ歩き】4
4:宿場町を偲ばせる名物「釜揚げうどん」|本家 田毎
河原町通から寺町通まで続く商店街に店を構える『本家 田毎(たごと)』。宿場だった三条は人通りも多く、また馬車や人力車なども通る道で、それら車にちなんで作られたのが名物「車うどん」。
釜揚げうどんに10種ほどの天ぷらが付き、うどんの上には車を模した海老が飾られています。海老や蒟蒻、椎茸、さつまいもなど、揚げたての天ぷらにも合う特製の温かいつゆで提供しています。
明治の宿場町を偲ばせる、名物「車うどん」|本家 田毎(釜揚げうどん)【京のおうどん 食べ歩き】6
5:一度食べたらやみつきになる「カレーうどん」|めん房 やまもと
新町通と室町通の間の路地のそのまた奥という知る人ぞ知る場所にある『めん房 やまもと』。一度食べるとこの味が忘れられなくて、わざわざ遠方から通う客もいるほどの人気なのが「カレーうどん」です。
通常の出汁にザラメを加えてコクを出しているそうで、こっくりとして濃厚、片栗粉などでとろみをつけているわけではないのに、麺としっかり絡みます。
濃厚なカレーが麺としっかり絡む|めん房 やまもと(カレーうどん)【京のおうどん 食べ歩き】5
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観光客だけでなく、地元の人に愛されるうどん店。出汁の染みた優しいおうどんが、身も心も温めてくれるはずです。
文/編集部