多くの披露宴では、終宴前に「エンドロール」と呼ばれる映像が上映されます。エンドロールは、結婚式当日のシーンやゲストの映像、写真などを載せる形式が一般的です。結婚式の様子だけでなく、ゲストに感謝を伝えるために、ゲストへのメッセージが記載されていることもあります。

エンドロールは「次は、誰が出てくるのかな?」と見ているゲストが楽しめる、披露宴の人気演出です。基本的に、親がエンドロールの作成に関わることはありませんが、エンドロールの基本や流れを知っておくことで、心の準備ができるかもしれません。

本記事では、結婚式の締めくくりにふさわしいエンドロールをご紹介します。

目次
結婚式のエンドロールとは
どのように作成するのか
ゲスト紹介の順番
エンドロール作成時の注意点
最後に

結婚式のエンドロールとは

「エンドロール」と聞くと、映画の最後に登場する、スタッフの名前一覧表をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。結婚式のエンドロールとは、披露宴の終わりに流すムービーのことで、大きく分けると二種類のタイプが存在します。

一つ目は、結婚式当日の映像がメインのものです。
二つ目は、過去に撮影した写真や映像を使用するタイプのものがあります。

どちらのタイプにせよ、エンドロールの目的は、結婚式に来てくれたゲストに感謝を伝えることです。エンドロールがあることで、結婚式の余韻を残しつつ、スムーズにお開きの雰囲気作りができます。最近の結婚式は、「感謝」や「ゲストへのおもてなし」が重視される傾向にあります。そのような背景から、エンドロールは披露宴に欠かせない演出の一つとなりました。

結婚式のエンドロールに厳密な決まりはありませんが、一般的な内容としては、以下のポイントで構成されています。

1: 全体に向けて、結婚式に出席いただいたことへの感謝
2: 新郎側ゲストへのメッセージ
3: 新婦側ゲストへのメッセージ
4: 終わりの挨拶

全部で5分程度のものが多い印象です。ゲストだけでなく、結婚式に関わったスタッフの名前が記載されることもあります。

親は会場の外で鑑賞することが多い

多くの会場では、親は披露宴会場の外で、エンドロールを鑑賞します。理由は、会場内でゲストがエンドロールを見ている間に、新郎新婦と両家の親が会場の外に移動し、お見送りの準備に入るからです。身内だけの空間で、ほっとリラックスしながら鑑賞されている方が多く見受けられます。

中には、会場内でゲストと共にエンドロールを鑑賞するパターンもありますが、全体の流れを考えると会場の外で鑑賞される方がスムーズでしょう。

どのように作成するのか

エンドロールを作成するには、二つの方法があります。

1:事前に作成
2:式当日の写真や映像を使う「撮って出し」

それぞれ作成方法や費用が異なるので、「費用を抑えたい」、「質の良いものを希望する」など、何に重きを置くのかによって選びましょう。

ここでは、エンドロールを作成する方法をご紹介します。

1:事前に作成する

事前にエンドロールを作成するメリットは、

・費用を抑えられる
・新郎新婦の好きなように作成できる

が挙げられます。映像の作成方法に決まりはありませんが、ゲストとの写真を載せる方が多い印象です。

デメリットとしては、

・準備に時間がかかる
・業者の作成したものと比較するとクオリティが低くなる

ことが挙げられます。会場によっては、自作のエンドロールの場合「持ち込み料」がかかることもあるので、注意が必要です。

2:撮って出しスタイル

「撮って出し」とは、式当日の映像を、披露宴の間に業者が仕上げてくれるサービスです。新郎新婦だけでなく、ゲストの様子を撮影したシーンも多数登場するので、皆で楽しめる演出でもあります。

メリットは、

・業者に任せることができるため、準備が不要

結婚式の準備期間が短い人や、動画作成の経験がなく不安な方にとってはありがたいサービスです。

デメリットとしては、

・費用が高額であること

撮って出しは、結婚式当日に撮影・編集して仕上げるため、業者の負担が大きいものです。その分、高額な費用になる可能性があります。式場にもよりますが、大体10~20万円の費用がかかる会場が多い印象です。

高額な分、質の良いものが仕上がります。せっかくの記念に取り入れるのも良いでしょう。

ゲスト紹介の順番

エンドロールを自作する場合、ゲストの紹介の順場に気を付ける必要があります。厳密な決まりはありませんが、基本的には新郎側のゲスト、次に新婦側ゲスト、両家の家族の順であることが多い印象です。

立場が同じゲストの場合、五十音順に並べます。名前とメッセージに間違いがあっては大変なので、最も注意が必要な項目です。敬称は全て「様」で統一して問題ありません。親戚の名前は、親が一度目を通してあげると安心です。

ここでは、ゲスト別に紹介の順番をご紹介します。

1:主賓・職場関係

最初は主賓を紹介します。仕事関係のゲストは、役職が高い人から順番に紹介していきます。新郎もしくは新婦との関係性を表すためにも、上司には「会社名と役職」、先輩には「○○先輩」など書き足すと、ゲストにも分かりやすいでしょう。

2:友人

友人の紹介は「出会った順」や「年齢」を考慮して順番を考えます。基本的には、出会った順番が新しい友人から紹介していきます。友人をグループ分けする場合、年齢がバラバラであれば、年上から順番に記載するケースが一般的です。

3:親族

親族は、年齢が高い順番に紹介していきます。ちなみに「おじ・おば」の表記は、年齢により漢字が異なるので注意が必要です。両親より年上の場合は「伯父」「伯母」、年下の場合は「叔父」「叔母」となります。

4:家族

家族の場合、兄弟姉妹を先に紹介し、両親は最後になります。家族に敬称は不要です。

エンドロール作成時の注意点

どのゲストでも感動できるエンドロールにするために、言葉遣いや、文字を読みやすくする配慮は基本ですが、それ以外にも気を付けるポイントがいくつかあります。一見、どれも当たり前のことのようですが、結婚式準備で忙しい新郎新婦は気が付かないことがあるかもしれません。

とはいえ、意見を求められていないのに、親がエンドロールまで口出ししにくいものです。普段の会話の中で、自然と「こんな失敗があったらしいよ」とさりげなく伝えることができれば、間違いが起きる可能性を減らすことができるかもしれません。

ここでは、エンドロールを作成する場合の注意点をご紹介します。

不適切な表現は避ける

ほとんどのエンドロールは、当日の式の様子や今までお世話になったゲストへのメッセージでまとめられています。

過去に一度、新郎新婦自作のもので「これはちょっと……」というような内容が上映されたことがありました。例えば、一部の仲間内のみ分かる冗談であったり、下品なパロディーのようなものだと、親族や目上の方からは良く思われないでしょう。

親が事前にエンドロールに関わることはありませんが、エンドロールに限らず「結婚式は節度を持って」ということを伝えておくと、安心できるのではないでしょうか?

ありきたりなメッセージはできるだけ避けて

ゲストへのメッセージで、誰にでも当てはまる定例文のメッセージだと、ゲストは嬉しくないものです。例えば、「今日はありがとう。また会いましょう」のようなありきたりなものだと、感動できません。コメントは映像と共に流れていくので、ゲストが読みやすいよう、コメントの長さに気を付けましょう。

人数が多い場合、個人個人へのメッセージではなく、グループ単位のメッセージでも問題ありません。

サイズ

自作のエンドロールの場合、画像のサイズに注意が必要です。苦労して仕上げたものが、前日のリハーサルで使えなければ、どうしようもありません。作成の前に、式場に画面のサイズを確認しておくと安心です。

最後に

人数が多い結婚式であれば、新郎新婦は、なかなかゲスト全員と会話する時間は取れないのが現状です。特に、親族や家族は後回しになりがちな傾向にあります。しかし、エンドロールを取り入れることで、メッセージを通してゲスト全員に感謝を伝えることができます。

自作するにしても、業者に依頼するにしても何かと費用や労力のかかるものではありますが、結婚式を素敵に締めくくるためにも、エンドロールは必要な演出であると言えるでしょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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