

東京で誕生したラーメンは、大正から昭和の戦前にかけて大衆食として普及する。戦後になると闇市などの露店や屋台でラーメンを提供するようになり、繁盛すると店舗を構えていった。地方ではそんな店を核に「ご当地ラーメン」の食文化が華開く。
1.旭川ラーメン

2.札幌ラーメン

3.函館ラーメン

「札幌でも露店から独立した店舗が次々に開店し、やがてラーメン店が集まり昭和26年(1951)に『公楽ラーメン名店街』が誕生します。ラーメンは繁盛店の模倣から広がることが多く、地方独自の味を作り出していきます。『味の三平』が開発した味噌ラーメンも各店が真似をすることから切磋琢磨し、札幌名物として発展しました。喜多方(福島)、佐野(栃木)、博多(福岡)といった地域色の濃いご当地ラーメンも、核となる店から派生したものです」(前出(https://serai.jp/gourmet/1209075)・岩岡さん。以下同)
昭和30年代にはインスタントラーメンが発売され、家で気軽にラーメンを食べられるようになる。ラーメンは大衆食としての地位を不動のものとする。
4.米沢ラーメン

5.喜多方ラーメン

6.白河ラーメン

7.佐野ラーメン

8.東京ラーメン

9.横浜ラーメン

10.高山ラーメン

11.京都ラーメン

12.和歌山ラーメン

13.尾道ラーメン

14.広島ラーメン

15.徳島ラーメン

ご当地からご当人ラーメンへ
「時代が進むとラーメンは腹を満たすものから、食を豊かに楽しむものへと変化をしていきます。1980年代に入るとグルメブームが起き、その流れに乗って生まれてきたのが、秀でた料理人がつくるラーメン、いわゆる『ご当人ラーメン』です」
ご当人の代表格がテレビなどでも活躍した佐野実さん(1951~2014)だ。素材をこだわりぬき「ラーメンの鬼」と呼ばれた。
「1990年代以降は、地域性と職人魂が入り交じり、名店が続々と現れ、ラーメンブームが続いています。これからも、うまいものを食べさせたいという、職人の心が込められたラーメンが作り続けられることでしょう」
16.博多ラーメン

17.久留米ラーメン

18.熊本ラーメン

19.鹿児島ラーメン

昭和33年の町並みの中で名店の味を楽しむ
新横浜ラーメン博物館

神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21
電話:045・471・0503
開館時間:11時~21時、~21時30分(土・日・祝日、変更の場合あり)、最終注文は閉館30分前
まで
入館料:450円
休館日:12月31日、1月1日
交通:JR、横浜市営地下鉄新横浜駅下車、徒歩約5分
写真/新横浜ラーメン博物館(1~19のラーメンの写真)
※この記事は『サライ』本誌2024年12月号より転載しました。

