シャンパンというとフルーティな香りや味、見た目の華やかさから、お祝いなど特別な日に飲むものというイメージがあるでしょう。実際、シャンパンはほかのワインにはない厳格な決まりのある特別なお酒。敷居が高いと感じるかもしれませんが、シャンパンの特徴や味わい方を知れば、いつもの食事に取り入れやすいことがわかります。
そこで今回は、『サライ.jp』で紹介した、シャンパンの基礎知識から選ぶコツまでご紹介します。和食と相性の良いシャンパンや合わせ方などもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
■知っていて損はない、シャンパンの基本
じつはシャンパンと表記するには、厳格なルールがあるのをご存じですか? ブドウの収穫から生産、醸造まで、すべてをフランスのシャンパーニュ地方で行うこと、決められたブドウの品種を使うこと、定められた製造方法であることの3つが守られていないと、シャンパンと名乗ることができません。
この3つの定義から外れた発泡ワインは、一般的にスパークリングワインと呼ばれています。イタリアのスプマンテやスペインのカヴァなどがそれにあたります。
「CHAMPAGNE」と記載するため必要なこと|知っておきたいシャンパンの基本
■シャンパンを美味しく飲むためのコツとは?
シャンパンを美味しく飲むためには適温に保つことが重要です。辛口で8度、甘口で4度。グラスに注ぐ際は2回に分けて注ぐことで、グラスの中の泡を長続きさせることができます。
スポーツの表彰式などで見かけるシャンパンファイトでは泡が激しく噴き出していたりしますが、温度が高すぎると瓶内の炭酸が膨張して溢れてしまいます。保管の際も10度程度の低温を保つようにしましょう。
■多種多様な中から好みのシャンパン選ぶコツ
シャンパンを飲んでみたいけれど、どうやって選べばよいかわからないという場合は、お店に行って相談するのが一番。
東京・日本橋にある『レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 東京』のソムリエ・江阪真優さんによると「日頃、どんな味が好みかを教えていただけると、お薦めしやすいですね。合わせたい料理、誰とどんな状況で飲むかでも構いません」とのことです。
小説家・平野啓一郎さんと選ぶ「年末年始に味わいたいシャンパン」3選
■醬油や味噌などの発酵食品と合うシャンパン
京都・室町に、昭和10年に開業した『京料理 木乃婦(きのぶ)』の3代目の高橋拓児さんは、和食のユネスコ無形文化遺産登録にも貢献した京料理界の旗手。シニアソムリエの資格も持っていて、ワインと合わせる会席コースを生み出し、京料理の新たな楽しみ方を提案しています。
例えば、ポン酢で味わうクエの造りや、炙って醤油をからめた雲丹には、ピノ・ノワール100%のやや厚みのあるシャンパンが合うのだそう。自宅で和食と合わせるコツも教えてくれます。
■熟成が長いもの、赤ワインのぶどうが使われたものは魚との相性がいい
東京・銀座にある『鮨からく』では、15年ほど前からシャンパンを取り扱い始めました。主人の戸川基成さんは、「扱うからにはしっかり勉強しなくては」と、世界的なワインの資格であるWSETも取得されました。
熟成が長いほど魚との相性がよく、36か月以上の熟成なら魚卵に合わせても臭みが出ず、握り鮨にも合わせやすいそうです。
■甲殻類や貝類はミネラル分に、根菜類は果実由来の甘さに合う
ホテル内の店を構える『てんぷらと和食 山の上』では、ワインが充実しており、シャンパンは5種類を揃えています。なかでも冬に大きくなり味わいが濃くなる牡蠣は天ぷらが最適で、シャンパンがさらに旨みを引き立ててくれます。
ほかにも、人参、牛蒡、蓮根のほか、南瓜などほっくりとした自然の甘さは、特に黒ぶどうの品種が入ったシャンパンの果実由来の甘さにとてもよく合うそうです。
※『天ぷらと和食 山の上』本店は山の上ホテルの全館休業に伴い、2024年2月13日よりしばらく休業となります。
『てんぷらと和食 山の上』で習う、天ぷらとシャンパンの合わせ方
* * *
文/編集部