果物の旨味を味わうまさにシャーベットの醍醐味

紀元前から口にしていたという氷菓。果物の旨味を堪能できるシャーベットは、厳しい暑さを和らげてくれる。

手作りアイス工房 ヴェルデ(東京・武蔵村山)

コーンかカップで持ち帰りできるシャーベットは、ダブル(2種)360円がおすすめ。シングル(1種)は300円。目の前の自家農園産を使ったブルーベリー(左)と苺。店頭のベンチでも味わえる。

一年を通じて、地場の農産物を使ったアイスクリームを作り続けている店が東京の多摩地区にある。元々が酪農家である店主の本木祐一さん(53歳)が25年前に自家産の生乳を使いアイスクリーム店を開業。その後、転機が訪れる。

「都の農業関係者の助言で狛江市産の枝豆を使ったアイスクリームを売り出したら大ヒットしたのです。以来、地元の素材を活かしたアイスクリームをお客様にお届けしています」(本木さん)

夏、一番人気のシャーベットは、店の周りに広がる自家農園産のブルーベリー。果肉の食感と濃厚な風味が秀逸だ。ほかに、レモンや梨が。秋から冬にかけてはミカンや柚子のシャーベットがアイスクリームと共にショーケースに並ぶ。いずれも地元の武蔵村山市や青梅市など近隣の農家から仕入れた素材を使う。昨年から店を手伝う息子の健太さん(26歳)は

「地元の農家との繋がりを大切に武蔵村山を盛り上げていきたい。小さなお客様の笑顔が励みです」

と顔を綻ばせる。

自家農園で収穫したブルーベリーの実にグラニュー糖を加えて煮詰める。この後、ミキサーで撹拌しフリーザーでシャーベットに仕上げる。
店舗から2kmほど離れたモトキ牧場で、11頭の乳牛の世話をする店主の本木祐一さん(右)と、店を受け持つ息子の健太さん。

手作りアイス工房 ヴェルデ

2種のシャーベット(写真右上)の他にも、東京産の農産物の色を反映し色とりどりのアイスクリームが並ぶショーケース。

東京都武蔵村山市三ツ藤1-80-3
電話:042・560・6651
営業時間:11時〜17時30分(4月〜9月)、11時〜17時(10月〜3月)
定休日:月曜、火曜
交通:西武拝島線武蔵砂川駅から車で約10分

取材・文/中村雅和 撮影/宮地 工

※この記事は『サライ』本誌2023年8月号より転載しました。

 

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