果物の旨味を味わうまさにシャーベットの醍醐味
紀元前から口にしていたという氷菓。果物の旨味を堪能できるシャーベットは、厳しい暑さを和らげてくれる。
メゾン ジブレー (神奈川・中央林間)
イタリアのミラノで開催される菓子コンクールの世界大会で、日本チームのキャプテンとして優勝を果たすなど、輝かしい経歴を持つシェフの江森宏之さん(49歳)。6年前に開店した自身の店では、アントルメグラッセと呼ばれるアイスケーキに力を入れている。年間に200種以上も販売するシャーベットがふんだんに使われるアイスケーキには、全国の果物の生産者の力が欠かせないという。
「宮崎のマンゴーや大分のカボス、出身地である栃木の苺など、旬の果物を最良の時期に収穫し、下拵(したごしらえ)をしてマイナス40℃の冷凍庫で保存して使います。全国の生産者さんの食に懸ける熱い想いを作品に作り上げています」(江森さん)
江森さんのシャーベットは、果物の美味しさをそのまま伝えるのはもちろんだが、味の組み合わせの楽しさも教えてくれる。例えば、オレンジとレアチーズケーキという果物とミルク系の組み合わせでは、オレンジの酸味とチーズの濃密な味わいが交互に押し寄せる。また、青林檎とライム、マンゴーとパッションフルーツなど、似た色同士の組み合わせも多用する。1プラス1が何倍にも広がるシャーベットの可能性を見せてくれる。
メゾン ジブレー
神奈川県大和市中央林間4-27-18
電話:046・283・0296
営業時間:10時30分~19時
定休日:月曜、火曜不定休
交通:小田急線・東急田園都市線中央林間駅から徒歩約5分
取材・文/関屋淳子 撮影/宮地 工
※この記事は『サライ』本誌2023年8月号より転載しました。