果物の旨味を味わうまさにシャーベットの醍醐味

紀元前から口にしていたという氷菓。果物の旨味を堪能できるシャーベットは、厳しい暑さを和らげてくれる。

渋谷西村フルーツ道玄坂本店 (東京・渋谷)

持ち帰りのシャーベットは2種類を選ぶ(コーン570円、カップ500円)。手前はマンゴーと巨峰、奥はマスカットとピンクグレープフルーツ。内容は季節により異なる。

日々進化を続ける東京・渋谷。渋谷を象徴するスクランブル交差点に面するのが『渋谷西村』本店である。店舗1階の一角にはジェラートやシャーベット、ジュースを持ち帰りできるコーナーがある。

「今、若い方たちの果物離れが深刻です。ぜひ渋谷という街で、気軽に食べられるシャーベットを通して、果物の美味しさを知ってもらいたいです。日本の果物の美味しさは世界に誇れるものです。気兼ねなく食べていただけるように値段の設定も抑えています」

こう話すのは同社専務の西村元孝さん(62歳)。昭和10年(1935)、祖父が現在の場所に開業した店を兄と守る。

昭和20年代後半の旧社屋。4階が工場で、2階のパーラーではカットフルーツや桃の缶詰とバニラアイスを使ったピーチメルバなどを供していた。創業は明治43年(1910)。写真/渋谷西村

店頭に並ぶシャーベットはマスカットやマンゴーなど季節の味。涼感が口に広がり、果物本来の甘みと酸味が調和し食べやすい。外国人客も嬉しそうに注文している。

2階のパーラーでは彩り豊かなフルーツのデザートが楽しめる。なかでも、定番のフルーツパフェは8種類の果物に季節のシャーベットとバニラアイス、ソースやジュレを使う食べ応えのある一品。ここではシャーベットは脇役となり、旬のフルーツを盛り立てている。

フルーツパフェ1700円。苺やオレンジ、ラズベリー、ブルーベリー、ドラゴンフルーツなどが盛られる。器の底にカットフルーツがあり最後まで果物を楽しめる。

渋谷西村フルーツ道玄坂本店

高級フルーツが並ぶ店舗1階。最近はお酒の後に締めとして食べる夜パフェの客が多いという。

東京都渋谷区宇田川町22-2
電話:03・3476・2001
営業時間:9時30分~22時 2階フルーツパーラー 10時30分~23時(最終注文22時30分)、日曜・祝日10時~22時30分(最終注文22時)
定休日:無休 124席。
交通:JR渋谷駅から徒歩約1分

※この記事は『サライ』本誌2023年8月号より転載しました。

 

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