写真・文/矢崎海里
中国発祥の発酵調味料、豆板醤。
豆板醤はそらまめに塩や麹、唐辛子を混ぜて発酵させたもので、麻婆豆腐などの四川料理には欠かせません。
使用する材料も作り方もシンプルなので、家庭でも簡単に手作りできます。
今回ご紹介する豆板醤のレシピは、辛みが控えめでそらまめの風味がしっかりと感じられる、手作りならではの味わいに仕上がります。
そらまめが旬の今の時期にチャレンジしてみませんか。
市販品とは違ったおいしさをぜひ味わってみてくださいね。
手作り豆板醤のレシピ
【材料】(作りやすい分量)
そらまめ(皮をむいたもの) 100g
米麹 30g
塩 大さじ1
韓国唐辛子 大さじ1と1/2
【作り方】
1.そらまめはさやから豆を取り出して黒い部分に包丁で切り込みを入れ、沸騰したお湯で3分茹でる。
2.熱いうちに皮をむいてチャック付き袋に入れ、粗くつぶす。
3.米麹、塩、韓国唐辛子を入れてさらに混ぜる。
4.直射日光の当たらない常温で2週間以上熟成させて完成。
米麹を働きやすくするために、常温で熟成させます。
2週間置いたものがこちらです。
そらまめの緑色が目立たなくなり、全体がなじんでいます。
2週間後から食べられますが、時間をかけて熟成するのがおすすめです。
1か月~半年ほど、様子を見ながら常温で熟成させてください。
完成後はそのまま冷蔵庫で数か月保存できます。
韓国唐辛子はキムチなどを作る際に使われるもので、一般的な唐辛子パウダーや一味唐辛子より辛さが控えめです。
甘みや旨味が強く、そらまめの風味を引き立ててくれます。
辛い物が好みの方は、お好みで一味唐辛子を組み合わせて作ってみてください。
このレシピの豆板醤は、大さじ1杯あたりエネルギーが32kcal、食塩相当量が2.2gです。
塩分は市販のものとほとんど変わりませんが、そらまめをたっぷり使っているため、エネルギーは高くなっています。
今回のレシピで作った豆板醤は市販のものより辛さが控えめで、そらまめを粗くつぶしていることで食感が残り、豆の風味もしっかりと感じられるものになっています。
麻婆豆腐やエビチリなど、豆板醤を使った定番料理もいいですが、和え物や炒め物など、手作りの味わいを生かした、豆板醤が主役のメニューに使用するのがおすすめです。
今回は和え物と炒め物、2品のレシピをご紹介します。
ピリ辛豆板醤きゅうり
【材料】(2人分)
きゅうり 1本
★手作り豆板醤 大さじ1/2
★ごま油 小さじ1
★砂糖 小さじ1/2
★醤油 小さじ1/2
白いりごま 適量
【作り方】
1.きゅうりは一口大の乱切りにする。
2.ボウルに★の材料を混ぜて、1を和える。
3.白いりごまを振って完成。
これからの熱い季節にぴったりのメニューです。
市販の豆板醤より辛みが控えめなので、多く使っても食べやすく、豆板醤の味が主役になります。
ほかにも豆板醤と味噌やマヨネーズを合わせて野菜スティックのディップにアレンジするのもおすすめです。
エネルギー:46kcal
食塩相当量:0.8g
えびとズッキーニの豆板醤マヨ炒め
【材料】(2人分)
むきえび 10尾
ズッキーニ 1本
玉ねぎ 1/2個
ミニトマト 5個
マヨネーズ 大さじ1と1/2
手作り豆板醤 大さじ1
酒 大さじ1
【作り方】
1.ズッキーニは半月切りに、玉ねぎは乱切りにする。ミニトマトは半分に切る。
2.フライパンにマヨネーズを入れ、中火で加熱する。マヨネーズが溶けてきたらむきえび、ズッキーニ、玉ねぎを入れて炒める。
3.手作り豆板醤、酒を入れて炒め合わせ、ミニトマトを加えて火を止める。
4.うつわに盛り付けて完成。
マヨネーズと豆板醤のコクがやみつきになる炒め物です。
マヨネーズで炒めることで、炒め油は不要。
魚でも肉でも合うので、お好みの具材で作ってみてください。
ご飯が進むおかずはもちろん、お弁当のおかずにもおすすめです。
エネルギー:174kcal
食塩相当量:1.5g
* * *
特別な道具が不要でチャック付き袋で作れるので、料理が苦手な方もチャレンジしやすいのがおすすめポイントです。
余った米麹は味噌や塩麹、甘酒などさまざまな発酵食品を作る際にも活用できます。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。